※観察の日からアップまで大幅に時間が空いております。
前回から随分と経ってしまいましたが、この企画も辞めたわけではありません。再開発の進む渋谷でデハ5001がどうなるか、しつこく見続けていきます。
この日は「2020東京オリンピックまで1000日」とかいうイベントがハチ公前で行われていたようで、デハ5001の周りでも何やらパラソルなど開かれており、いつもと同じ角度での写真は撮れませんでした。
さて、前回の取材から何と1年以上も経ってしまいましたので、いろいろと変化が見えています。まず、去年被害に遭った車体への落書きは、掃除したのか消えているのは一目瞭然です。さらに細部を見ていくと、かなり大きな変化があったことが分かります。
それでは通例通り、車体の前の方から見ていきましょう。
運転台扉周りです。塗料の剝げが激しい場所の一つで、車体の地肌の見える箇所がありましたが、そこが緑色に塗られています。小生が見続けて十年近くになりますが、ようやく補修の手が入ったようです。ただし、剥がれたところを上からレタッチしただけなので、元のままの所と段差ができています。
続いて、これまた塗装の剥がれが多かった、ドア周りを見てみましょう。運転台寄りの扉を見ます。
数多くあった傷はレタッチされています。とはいえこれも本来の塗装が剥がれたへこみをそのまま塗っただけではありますが。また破れたドアのゴムはそのままのようです。
次は、運転台寄り扉の戸袋窓周辺を見てみます。ここにも大きな塗装の剥がれがありましたが、どうなっているでしょうか。
塗装の目立つ剥がれが緑に塗られ、パッと見はここもきれいになっています。ひびそのものは塞がれてはいませんが。
同じ戸袋窓のもう一方の角のあたりです。ここらへんはあまり変わらず、ひび割れから錆が流れ出しています。
向かって左から二枚目の窓の上あたりです。凹んだように見えるところは、塗料の剥がれがレタッチされたのでしょうか。
これは車端部寄りドア向かって左の窓の下あたりです。ここには前から大きな塗料の剥がれがありましたが、レタッチされてきれいに…と思ったら錆が見えます。おそらく、レタッチの段階では剥がれた部分をすべて塗ったのでしょうが、その後新たに塗装が剥がれて、錆びた地肌が見えているものと考えられます。補修は姑息的なものでしかなかったのでしょうか。
車端部寄りドア周りです。ここも中小の傷が多数あったところですが、すべてレタッチされているようです。ただし、ドアのゴムがそのままなのは運転台寄りドアと同じで、ゴムの傷みはこちらの方がよりひどいようです。
これは車端部寄りドアの戸袋窓の隅です。この辺も傷みの激しいところで、しかも今も塗料が剥がれたむき出しのまま――ではないようで、以前の写真と見比べると、赤で囲んだあたりに前からあった剥がれは確かにレタッチされているのですが、その後に現在見られるような、もっと大きな傷ができたということのようです。
車端部です。この面は大きな傷などは元からあまりありませんでしたし、落書きの影響もなかったので、それほど変化は見て取れません。ただ何やらシールを張られたりするのは、この面が多いようで、この写真でも何枚か目につきます。
車体の裏側です。しばしばゴミ捨て場状態になりますが、今回はまあまあマシな方でしょうか。掃除が定期的にされているのならば結構なことです。
車内の様子です。今回はキティ一色で、どういうタイアップなんだかはよく分かりませんが、ともあれ当初の「民間交番」構想からは、十年を経て随分と遠くへ来てしまったなあと思います。
というわけで、一年以上も間を開けた取材で、しかも取材から記事アップまで4か月近くもかかるという体たらくで、我ながら情けないありさまです。しかし腐ってばかりもいないで、まだまだ再開発で変貌し続ける渋谷の街においてデハ5001がどうなっていくか、今後も(これほど間を開けずに)見ていきたいと思います。