※観察の日からアップまで大幅に時間が開いております。
仕事の都合で引っ越したこともあり、1年以上間が空いてしまいましたが、しかし忘れたわけではありません。
渋谷の再開発が急速に、かつ大規模に進む中で、デハ5001がどうなるのか、引き続き観察を続けていきます。
ハチ公像のあたりから見た全体像です。遠目にもかなり薄汚れた印象があり、また窓が宣伝で埋められて、車両の保存という感じからはいっそう遠くなってしまっています。
それでは例によって、前から見ていきましょう。
現在のところ、デハ5001は観光案内所になっていますが、その案内で前面窓も埋められてしまって、運転台の様子をうかがうことはできません。
前面の下のところはだいぶ錆が進んでいます。
同じく痛みがもともと多かった、運転台扉のあたりも見てみましょう。
ここは元から痛みが激しかったところな分、塗料の剥がれたところが緑に塗られて一応見た目は補修されていたのですが、その周りがまたさらに剥がれているのが分かります。
同じく痛みの多かった、ドア廻りを見てみましょう。
こちらも前から痛みが多かったので、緑の塗料でレタッチしていたのですが、その塗った周りが新たに剥がれたり、レタッチ自体が剥げてしまったりしたところがあるようです。さらに扉のゴムはいっそうボロボロになっています。
続いて車体の側面を見ていきましょう。
これは前扉戸袋窓とその向かって右隣りの窓の間です。ここは以前からひび割れが多かったのですが、その分新たに増えた傷はそれほどないように見えます。
ここももともと塗料のひび割れがあったのですが、それが大きな剥がれになってしまっています。剥がれたところから錆が流れて、ナンバーのあたりまで垂れています。
さらに右側に移ります。ここは元からかなり大きめの塗料の剥がれがあり、やはり以前にレタッチはされていたのですが、レタッチした周りが剥がれてしまっています。
車端部寄りの扉の横でも、かなり大きな塗膜の剥がれがあります。塗装の下から出てきた地肌が錆びていないところを見ると、これも比較的新しいのでしょうか。
さらに、車端部寄りドアの周りも見てみましょう。もともと痛みが激しかったところですが…
もともと傷みが多かったので、一度は塗装の剥げたところがレタッチされていたのですが、また新たな傷がついてしまっているようです。また戸袋側の方はゴムがすっかりボロボロになり、さらに手がかかるであろうあたりの塗装が剥がれているのが分かります。さらに車体にシールのようなものが張られているのが目につきますが、これは車体にも掲示されている渋谷のフリーWi-Fiのステッカーです。もとより、公式の掲示として張られたものではないでしょうが。
そこから車端部に向けて見ていきます。
戸袋窓の下にはもともと傷があったのですが、それが大きくなっているようです。しかしそれ以上に注目すべきは、写真中央の大きな塗料剥がれで、これは前回の記録にはなく、ここ1年余で新たに現れ、ここまで大きくなったようです。塗膜自体が弱ってきているのでしょうか。
車内の様子はこうなっています。
ハローキティを前面に押し出した公共的広告というのは前回と同じですが、今回は「ダイバーシティ」に焦点を合わせた展示になっています。東京都や渋谷区が最近力を入れているテーマのようですが、日本の国情は前回の展示の時と比べても、むしろそれに逆行するように思われることばかりです。
その一方で、車内には外貨両替機が設置されていて、公共的展示と観光案内所の要素がごっちゃになっている、よく分からん感じもあります。
渋谷が「百年に一度の再開発」というのはさまざまなメディアで喧伝されているところで、私もいくつか目にしましたが、その中でこのデハ5001をどうするのかはどこも取り上げていないようです。再開発の波にこの車両が飲み込まれないか、引っ越してなかなかマメには観察できませんが、引き続き注意していきたいと思います。