明日から
実際、毎日、昨日のような長い記事を書くほどの気力はありませんので悪しからず。
ところで昨日の話題を少し引っ張りますと、日経新聞が坂東氏のコラムを載せたことを批判する向きも結構多いようですが、日経新聞のコラムといえば個人的に一番面白いと思っているのは木曜夕刊の東京農大教授・小泉武夫氏の食べ物コラムであります。小泉氏も食べ物に関する書き手として注目に値する人ではありますが、個人的には今ひとつ高く評価しきれない要素があったので、昨日名前を挙げはしなかったのですが。
とはいえ、小泉氏といえば世界の様々な食べ物や酒を飲み食いした豊富な経験をお持ちで、「鉄の胃袋」の石毛直道氏に対し「ジュラルミンの胃袋」「鋼の胃袋」などと名乗っているようですが(石毛氏の上を行くなら「チタンの胃袋」ぐらいの方がカッコいいと思うけど。デュラルミンはあまり強そうでない)、きっと中国で犬猫の類を食した経験もお持ちではないかと推測されます。
で、ここで木曜日のコラムで「広東で食った猫はなかなか旨かった。独特の臭みがあるが、その臭みの残る口にアルコール度50度の白酒をコピリンコと流し込むと、これがえもいわれぬ風味に変化し・・・」とか書いたら神だなあとか思ったり。
※その後紆余曲折を経て、墨東公安委員会が白酒を愛飲するようになった経緯は以下の記事を参照→池袋の「中華街」で白酒(中国焼酎)を呑み犬を食う話など
「個人的には今ひとつ高く評価しきれない要素」とかについてはいつか書きたいとは思いますが、要するに食物を語るにあたって、旨い・栄養が正義という単線的価値観を脱し、なおかつ単純な近代批判・「伝統」文化礼賛的価値観にはまっていないこと、等が判断基準です。割と自国中心的になっちゃったりするんですよね。それを乗り越えた普遍的な面白さに達するのに、単純に健康に良いとか旨いとかの基準に頼らずに書けるかどうか、というところです。
先日来引っ張っている、ガンダム由来の話題は必ず皆様への返信をつけて記事にしますのでしばしお待ちを。
小泉先生より面白い食道楽の本と言えば幾つかしか思いつきません。その中でも西園寺公一(公望の息子)の本が最高に好きだったのですが、どこかへ紛失してしまいました。無念。
ところで、西園寺公一の本については恥ずかしながら知りませんでした。西園寺公は食道楽として有名だったにもかかわらず、自分では食について何も語り残していないそうです。それだけに西園寺公一の本があったら是非読みたいですね。探してみますか。