前回の記事で、私が昨年以来『Railway Empire』という鉄道経営シミュレーションゲームにはまっていることを記しました。
このゲームはもともとアメリカ製ドイツのメーカー制作でアメリカの会社から発売され、日本語化もされている作品です。元がアメリカ産なので、ゲーム化されているシナリオも北米が舞台となっています。しかし追加でダウンロードコンテンツ(DLC)がいろいろ発売されており、欧州諸国や中南米などのがすでにありました。単にマップを増やすだけでなく、登場する機関車や輸送する物品なども、各地域に合わせて追加されており、ゲームの要素も増えているようです。
そして、前回の記事を書いた先月時点では全く私も知らなかったのですが、今月に入って遂に、日本が舞台のDLCが発売されたのです!
というわけで私も、いろいろやるべきことがあるにもかかわらず、発売即購入まではいいとして、どんなもんかなとちょっと覗いてみるつもりが、気づいたら日本シナリオを2本とも攻略してしまっておりました。で、せっかく日本のDLCが発売され、すでに半月経つにもかかわらず、攻略記事的なものがほとんど日本語ネット界に見当たらず、
攻略 wiki や
5ch のスレもあまり活発とは言えないことから、せっかくなので日本シナリオをクリアした感想を記し、かたがた攻略のご参考として、このゲームの愛好者が増える一助にできればと思い立った次第です。
このゲームは、鉄道会社の経営者となって、線路を引いて列車(19世紀から20世紀初頭が舞台なので、蒸気機関車が主役)を走らせ、その収益で路線を拡張して、シナリオごとに定められたタスクをクリアしていきます。タスクには物資や旅客をいつまでにどれだけ運べとか、都市をどれだけ発展させろとか、ある物資をどれだけ生産しろとか、会社の規模や売り上げをどれだけ以上にしろとか、さまざまなものがあります。シナリオによっては AI が操作するライバル会社も登場し、それに先んじて路線拡張をしなければならず、タスクとしてライバル会社の買収が求められる場合もあります。とはぼやぼやしていると、自分の会社がライバルに乗っ取られかねないわけで、スピード感を持ったプレイが必要になります。まあそれが面倒で、好きなように線路を引きたいという向きには、サンドボックスモードもちゃんとあります。しかしゲームとしては、そういったタスクが課されている方が面白くはありますね。
で、タスクはだいたい一つのシナリオに10個あるのですが、そのタスクをどれだけこなせたか、またタスクをクリアするのにどれだけ早くできたかによって、シナリオクリアの評価が決まります。評価は最上級の会長から、一番下の見習いまで、14段階に分かれています。できることなら会長を目指したいものですが、シナリオによってはかなり難しい場合もあります。もっともこれは、評価の算定方法にやや大雑把なところがあり、ライバル会社が多いシナリオは会長獲得が比較的容易で、ライバルがいないと非常に難しいというからくりになっています。
さて、鉄道会社経営シミュレーションというと、日本製で有名なシリーズに『A列車で行こう』があります。またアメリカ製で有名なものに『Railroad Tycoon』というシリーズもありました。私はどっちもやったことがありますが、プレイし比べてみると、鉄道というものに対するイメージが日米で大きく違っていることを痛感させられます。
日本では鉄道は旅客輸送がもっぱらで、それに関連した多角化(不動産業や百貨店、バスなど)を進めています。『A列車』シリーズもそれにのっとり、電車を走らせて旅客を運ぶのが交通事業のメインで、マンションやビルを建設して副業の利益を上げていくのが基本的なプレイです。貨物列車は登場はしますが、街を発展させるための資材を運ぶのが役割で、貨物事業自体は大して儲かりません。旅客輸送の電車を中心に、都市を作っていくゲームです。
一方アメリカでは、鉄道の主役は貨物です。自動車も飛行機もなかった時代でも、アメリカの鉄道会社は収益の多くを貨物によっていたといいます。そして車両の主役は何と言っても機関車です。そこでゲームも、機関車で列車を走らせ、貨物輸送によって産業を発展させるという方向性になります。ですので鉄道会社の副業も、炭坑や農場を買収したり、さまざまな工場を経営するというものになります。旅客と郵便ももちろんあるのですが、例えば石炭を製鉄所に運んで鉄鋼にし、鉄鋼をまた工場に運んで自動車などの製品にする、といった多段階の物流を制覇するのがプレイの眼目というべきゲームになります。
で、アメリカ産の『Railway Empire』もまた、当然後者の系譜に属しています。さまざまな機関車たちが主役で、都市を結んで旅客・郵便列車も走らせますが、都市以外に散在するさまざまな産業拠点(日本語版の言い方では「地方ビジネス」)を結び、都市の工場でそれを製品に加工します。都市を成長させることが重要で、そのためにはさまざまな物資を豊富に都市へと供給する必要があります。都市が大きくなればなるほどさまざまな種類の物資を求めるようになり、より多くの種類の産業が経営可能になります。
もちろん経営としては、地方ビジネスと都市の工場をどちらも買収し、自社の列車でそれらの間を結べば、丸儲けをすることができます。ただこれは、買収や建設の費用がかかるのでゲーム序盤では難しく、コンピュータが経営するビジネスや工場に物資を運ぶことで鉄道会社を発展させていくことになります。タスクとして、工場を経営して指定の産物を指定の量だけ生産することを求められることもあるので、中盤以降は工場を建てられるときは自分で建て、あるいは既存の工場を買収するのが大事になってきます。
とまあ、プレイの基本はこんな感じです。具体的な線路の建設方法や、列車の走らせ方は、チュートリアルがあるのでそれをやってみてください。割と感覚的にできるので、それほど難しくはないと思いますが、ただ若干マウスへの反応が鈍いような気もします(私の環境のせいかもしれませんが)。あんまり慌ててクリックしまくらない方がいいと思います。
またこのゲームの特徴は、線路に信号を建てる必要があることです。私はこれがこのゲームの特徴で面白さの一つと思っていますが、面倒だと思われる方は「シンプル」モードでプレイしてください。「リアル」モードでは、信号を建てることで列車の進路を決定し、単線での行き違いを可能にします。もっともある程度輸送量が増えてくると、大概の路線は複線化してしまうので、あまりそういうことは多くないかもしれませんが。また複線化した場合は、先行列車との間隔を調整するために信号が要ります。実際の鉄道で言う
閉塞信号ですね。これによって列車の運転間隔を詰め、運輸効率を上げることができます。
もっともこのゲームでは、その閉塞信号のことを、一般的な言葉でないからか「停止信号」と訳しています。元の英語も確か「stop signal」だったので、まあしょうがないか……(閉塞信号の正しい英語は「block signal」です)。あと線路の進行方向を決める信号があって、これをゲームでは「誘導信号」と呼んでいますが、これは実際の鉄道に
同じ名前で全く違う役割(列車を駅構内で連結する際に用いる)の信号があるので、もうちょっとうまい訳はなかったかなあと思います。実際の鉄道にはない信号なので、敢えて命名すれば「方向信号」てな感じでしょうか。
なお閉塞信号を建てる際に、手作業で一つ一つ立てていくと気が遠くなるので(笑)、信号モードの際に線路を「Ctrl」+左クリックすることで、自動的に適当な間隔で閉塞信号を建てる機能があります。有効に活用してください(最初、私はこの機能を知らずにポチポチ手作業で建ててました。よくゲームを投げ出さなかったものだと今にして思います)。
また、このゲームには駅の付属で信号扱所というのがあります。信号扱所つきの駅を建設すると、列車が自動的に空いている駅の線路を選んで駅に入ってくれます。手作業で列車が入るホームを指定することもできますが、とても面倒なので、用地が許す限り、駅の建設時には信号扱所つきのを選びましょう。信号扱所のない駅を、あとで扱所つきに建て直すのは、ゲームシステムの都合上、とてつもなく面倒なのです。都市の駅は信号扱所つき、これは必ず覚えておいてください。貨物を集めるだけの駅には小駅で十分なので、扱所つきにする必要はありません。
このゲームでは後半になってくると、列車本数が増えてきて、駅に入る順番待ちで列車が渋滞する現象が起こります。これを解決するには大型の駅を建てる(駅を拡張する)のがまず対策ですが、このゲームは大きい駅でも線路が4本しかない(小駅が1線だけ、普通の駅は2線、大きい駅で4線)ので、大体足りなくなってきます。そこで、駅をもう一つ同じ都市に建設する必要がでてきます。ところが一つの都市に駅は最大二つしか建てられないので、もしライバルの会社も駅を建てていたら、自分の会社の駅を二つ建てることはできなくなってしまいます(自社とライバルとひとつづつで二駅)。こうなるとライバル会社を買収するしかないので、ライバルの動向には気を配る必要があります。
もしすでにライバル会社がある都市に自分が後から乗り込んで、二駅目を建てられない場合、また二つ駅を建てたけれどそれでも線路容量が不足してきた、という場合は、貨物専用の特殊な駅である倉庫を活用しましょう。倉庫は指定した貨物を受け入れ、また送り出すことができます。都市郊外に倉庫を建てると、倉庫に送り込んだ貨物が自動的に都市へと搬入され、貨物駅として機能します。倉庫をうまく活用できるようになれば、熟練プレーヤーといえるでしょう。具体的な使い方は、他の攻略研究サイトに譲ります(適当ですみません)。
さて、前置きが長くなりました。ここからは日本DLCについて。
日本を舞台にしたDLCでは、貨物になる物資や工場も日本向けにリニューアルされ、米から酒を造る工場があったり、大豆から醤油を造る工場などがあるほか、機関車もアメリカ向けではなく、ヨーロッパ型に加えて日本向けの車両が8種類用意されています。その8種類とは、150形(1号機関車)・860形(初の国産機)・5500形(明治に広く使われた英国製機関車)・8620形・9600形・C51形・D51形・C57形です。860や5500など、なかなか渋いチョイスもあって感心です。
日本DLCに登場する150形(1号機関車) けっこう使いではいい
タンク機関車なのに説明文がテンダー機関車になっているのは謎
で、プレイできるのは、メインのモードであるシナリオモードには、東北から京都までを舞台とした1870年シナリオ「ライジングサン」と、関西・中国・四国・九州を舞台とした1900年シナリオ「曲がりくねった道」が用意されています。自動生成のタスクに挑むフリーモードには、この東西日本のマップ以外に、日本全域を含んだものもあります。
そこでここからは、日本DLCを購入された方の多くが最初に挑むであろう、「ライジングサン」について簡単に攻略ポイントをご紹介しておきましょう。
「ライジングサン」は、日本に鉄道が初めてできる1870年代を舞台に、日本にゼロから鉄道を作っていきます。プレイヤーは鉄道について政府から全権を任されたお雇い外国人、というところでしょうか。史実のエドモンド・モレル?
モレルの伝記の決定版・林田治男『エドモンド・モレル 鉄道御普請最初より』ミネルヴァ書房
シナリオを起動すると、まず岩倉具視が挨拶に出てくるあたり、なかなかよく調べているなと感心させられます。プレイヤーは岩倉の指示に従って、日本に鉄道を建設していきます……が、どういうわけか関西方面にすでにライバル会社が。幕府にでも建設許可をもらって既得権で作ってしまったのか!? まあ、このライバル社が関東まで出張ってくることはないので、あまりそこは心配しなくていいです。
シナリオ開始直後、プレイヤーに挨拶に来る岩倉具視
で、ここから課されるタスクをクリアしていけばいいのですが、このシナリオは普通のシナリオと異なり、最初は3つのタスクしか示されません。それをクリすると次のタスクが出てきて……となって、最終的には普通のシナリオの倍、20個ものタスクをクリアしないとシナリオクリアにはなりません。
そのタスクはどのようなものか、ネタバレになりますが以下に掲げます。
「ライジングサン」シナリオ前半のタスク一覧
「ライジングサン」シナリオ後半のタスク一覧
では、タスクの登場順に従って、大まかな攻略のポイントを述べてみます。
1871 人口16,500人以上の都市同士を4個繋げよう。
1872 合計40人の乗客を乗せよう。
1873 32車両分の米を町まで運送しよう。
このシナリオは、線路を敷けるエリアに制約があるテリトリー制のルールがあり、最初は東京・神奈川・埼玉・千葉の四府県のエリア(「東京湾」エリアとゲームでは呼ばれています)にしか建設できません。というわけで、最初のタスクは事実上、東京・横浜・千葉・埼玉を結んで、全都市の人口を16,500人以上にしろということになります。各都市の人口は最初、15,000人くらいなので、東京を中心に各都市を結び、多摩地方や内房にある米、湘南や外房にある海産物を各都市に搬入して、人口を増やしていきましょう。
アメリカのシナリオでは、ゲーム序盤は麦を加工してビールにする醸造所と、畜牛を加工して食肉にする食肉加工場のどちらかが都市にだいたいあるので、麦を運んでビールを、牛を運んで肉を生産し、ビールと肉を交換するように輸送することで、安定した収益を上げることができます。日本シナリオではそれが、国情に合わせて米を酒にする醸造所と、大豆を醤油にする醸造所とになり、米と大豆を運んで(米と大豆は工場だけでなく都市自体でも需要がある)、酒と醤油を交換するように貨物列車を走らせるのが、序盤の基本的な手法になります。
で、横浜には酒の醸造所があり、千葉には醤油の醸造所(亀甲萬?)がありますので、それも活用して酒や醬油を各都市に運べば、それほど難なくクリアできるはずですし、人口をクリアする頃には乗客や米の輸送タスクも大体クリアできているでしょう。
1874 3箇所のエリアへのアクセスを確保しよう。
1874 150,000人を鉄道ネットワークに繋げよう。
1874 四半期で乗客利益を $250,000上げよう。
続いては北関東へ路線を拡大します。群馬・栃木・茨城の3エリアへのアクセス権が購入できるようになるので、資金を貯めて購入しましょう。史実では沿線に株を割り当てて購入させていたのに、ゲームでは金を払ってアクセス権を買わねばならない……(苦笑)。エリアを購入する順番はどれでもいいので、まず一つ購入してそこに路線を伸ばし、産物を既存の都市に搬入して、都市の人口を増やしましょう。お茶や大豆、木材といった産物が利用可能になるので、これらを都市に搬入することで、人口を増やすことができます。都市の人口が増えると工場建設が可能になるので、木材を材木にする製材所だとか、植物繊維から布を作る工場とかも作っていきましょう。
乗客利益を上げるには、旅客列車と貨物列車とを分離し、旅客列車には高速な機関車を使うのが基本です(この頃はまだ新しい機関車が使えるか微妙な時代ですが)。都市の旅客需要を調べて、需要がありそうなところには順次列車を増発していけば、たぶん期限内に十分タスクは達成できるはずです。
1875 鉄道ネットワークに15個の地方ビジネスを繋げよう。
1875 長野のエリアへのアクセスを確保しよう。
1876 100人の乗客を止めること無く甲府から松本に運送しよう。
長野県と山梨県へのアクセス権が解放されますので、資金を貯めて購入しましょう。いっぺんに両方買うのは難しいので、まず広い長野を買って、高崎から長野・松本へと路線を伸ばすことになるでしょう。その間に沿線の地方ビジネスをつないでいけば、1875年期限の二つのタスクは簡単にクリアできます。松本は最初から人口が多いので、路線をつなぐと高収益が望めます。松本から諏訪湖を経由して甲府まで路線を伸ばし、両都市の間に直通旅客列車を複数投入すれば、三つ目のタスクもそれほど難しくなくクリアできるでしょう。この頃には旅客用に高速な機関車が使えるようになっているはずです。
1877 松本~甲府の区間で120%の人気を確保しよう。
1877 松本に旅館を建設しよう。
ここから2画面目のタスクになります。甲府⇒松本旅客輸送タスクを終えると、また岩倉がやってきて、旅客運賃の設定方法を教えてくれます。その時、「運賃が高いので旅客需要が伸びない、運賃を下げろ」と指示されるのですが、ではと指示通りに運賃を下げても、岩倉の次のコメントが出ず、一度そこで行き詰ってしまいました。実はここは、運賃を岩倉がいいというまで、当初の半額ぐらいまでとことん値下げしないといけないのです。これが分かるまでしばらく戸惑いました(攻略 wiki にも同様の声があります)。
で、松本~甲府間の運賃をとことん下げ、旅客列車すべてに食堂車を連結すると、人気120%の達成は容易です。またこの間、並行して貨物輸送もして松本に物資を送り込んでいれば、松本の人口は6万人を超えているでしょうから、旅館も建設できるでしょう。旅館の建設は、都市に博物館や大学を建設するのと同じモードでできます(旅館を建設したら博物館などは建設できません)。
1878 北陸を自分の路線に繋げよう。
1879 京都と東京を繋げよう。
1879 1四半期で、東京・京都間で50人の乗客を輸送しよう。
1880 各路線で平均人気115%を達成しよう。
これまでは、少しづつ着実に路線を広げていく、という感じのタスクでしたが、ここで一気にタスクの規模が大きくなります。
ここまでは、関東・甲信だけに路線を敷設していましたが、いきなり京都延伸が指示されます。東海地方のテリトリー権を購入して、横浜から東海道線を延ばすのも一案ですが、松本まで路線ができているのを利用して、岐阜へ中山道ルートで延ばす方が安上がりでしょう。岐阜からは、1878年期限のタスクをクリアするために北へ、そして1879年期限タスクのために西へと、路線を敷設していくことになります。
ここで注意が必要なのは、「北陸」へつなげるというのはどうも誤訳らしく、福井や金沢の街に駅を建設して路線を延ばしても、それではクリアになりません。どうすればいいのかというと、
福井にある観光名所・大野城へ線路を延ばして駅を設けると、1878年期限のタスクがクリアになります。
観光名所の大野城に連絡した路線
ちなみに史実の京福電鉄越前本線にだいたい相当するルート
ところで、このシナリオには「観光名所」という、アメリカのシナリオにはなかった新要素があるのですが、その観光名所のチョイスが日本人にはかなり謎です。大野城なんてそんな名所? 一乗谷城の方が有名だけど、観光地としては渋いですよね。それこそここなら永平寺というのが真っ先に上がるべきでしょう。他にも、恐山や厳島や別府は分かるとしても、出羽三山(三神合祭殿)だの鹿児島の和気神社だの、えらく渋いのがあります。それでいて伊勢神宮も出雲大社も、東大寺大仏殿もなかったり。というか、奈良は東大寺どころか都市の設定すらありません!
それはともかく、攻略に話を戻すと、おそらくライバル会社が既に駅を設けている京都に割り込んで駅を作り、東京との間にとにかく直通旅客列車を走らせて、タスクのクリアを目指します。四半期で50人という条件は一見難しそうですが、何本も列車を出せば意外と簡単にクリアできますので、心配しすぎる必要はありません。ただ、東京では都市に二番目の駅を作って、路線の方向別に駅を整理しないと、東京駅で列車が渋滞する恐れがあります。京都への延伸と並行して、東京の路線も整備する必要があるでしょう。私はゲームにある程度慣れていたので、長野県へ路線を延ばす頃には東京や埼玉の駅を二つにしていました。宇都宮方面向けの埼玉東駅と、高崎方面向けの埼玉西駅という感じです。
この頃になると財政にも余裕ができるので、東海テリトリーを買って東海道線を作るのもいいかもしれません。私は既存の中山道・中央線ルートを生かして両京連絡線を作りましたが、やはりあまりに遠回りかと思い、中央リニアルート(笑・甲府から真西にトンネルを掘った)を建設して短絡しました。
なお路線の人気度115%は、旅客列車すべてに食堂車を連結(混合列車はつながなくても大丈夫)し、旅客運賃を最大限値下げ(デフォルトの半額)にしておけば達成できます。運賃を値下げしても、その分旅客は増えるようですし、経営上問題を感じることはありませんでした。
ただ、私はどちらかというと、旅客より貨物に力を入れて運行するプレイスタイルなので、旅客列車中心でやっているとまたちょっと違うかもしれません。もっともこのゲームでは、旅客を増やすには都市を大きくする必要があり、都市を大きくするには物資の大量搬入が不可欠なので、やはり貨物は重視すべきだと思います。私の経験では、大体のシナリオで、貨物収入は旅客と郵便を足したくらいかそれ以上になりますし、ゲーム後半は旅客より郵便の方が儲かっていることも多く、やはりアメリカ系鉄道ゲームは貨物中心で攻略するのがいいんじゃないかと思うのです。
1881 秋田の町で100車両分の酒を生産しよう。
1882 秋田の町で100車両分の小型模型を生産しよう。
1883 秋田のエリア総人口を260,000に増やそう。
次なるタスクは一転、東北地方です。いきなり秋田に飛び地の路線を持つことはできないので、まず南から順次テリトリーを購入し、路線を宇都宮あたりから延ばして、秋田へ到達しないといけません。奥羽本線建設ですね。
で、1881年期限タスクは、秋田に酒の醸造所を建てて米をせっせと搬入すればいいのですが、小型模型……というかおもちゃのことですが、これを作るとなると結構大変です。まずおもちゃの材料の塗料(染料という方がいい気がしますが)を作るために、酒(アルコール?)と塩と繊維が要ります。酒は秋田で作ったのがあり、塩は横手の西方にありますので、横手に塗料工場を建てて岩手方面から植物繊維を搬入してくるのがいいでしょう。
そしておもちゃを作るには、石炭と塗料とカオリン(カオリナイト、粘土の一種)がいるので、秋田に建てたおもちゃ工場に能代湊北方から石炭を運び込み、カオリンは岩手方面から持ってきます。これで材料がそろって安心……と思ったら、秋田の街がよほど成長しないとおもちゃを地元で消費しませんし、仮に成長しても秋田の街だけでおもちゃを100消費するのは大変です。そこで大消費地の関東へ長距離おもちゃ輸送列車を何本も……というのも一つの方法ですが、ちょっとずるいやり方としては、秋田の郊外に倉庫を建てて、秋田の街から倉庫へおもちゃを移してしまうという手もあります。消費は後回しにして、とりあえず生産しちゃおうというわけですね。
最後に人口を増やすタスクですが、秋田エリアには秋田・横手・能代湊の三つの街があります。秋田と横手はそれまでの工業タスクでそこそこ成長していると思いますが、さらに各都市に貨物を搬入し、成長すれば新たな産業を興して、どんどん物資を送り込みましょう。すると線路容量が足りなくなってくるので、駅を複数にしたり倉庫を活用する必要が出てきて……と、秋田周辺の線路はだんだん混沌としてきます。私がプレイした結果は、こんな感じになりました。
タスククリア後の秋田周辺
秋田と横手は駅が二つと倉庫、能代湊は駅と倉庫が一つづつあります。秋田と横手の倉庫は、両都市の駅を通らないで通過できる貨物線を作って、その上に設けました。まあここまでやらなくてもクリアできると思いますが。
そして秋田の人口が達成されると、最後のタスクになります。
1885 東京湾のエリア総人口を800,000に増やそう
最後は東京に戻って、人口増加タスクです。東京湾エリアには東京・横浜・埼玉・千葉の四都市がありますので、各都市が20万を超えるくらいに成長させなければなりません。すでに十数万には各都市ともなっていると思いますが、20万を超えるにはさらなる物資の搬入が必要です。東海道線を引いていなければ、伊豆・静岡方面の物資が手つかずになっているでしょうから、そこを開拓して関東へ物資を輸送します。秋田に集中していてそれほど手がついていないであろう南東北も開発して、北から物資を持ってくるのも必要でしょう。こうなると列車本数が増え、四都市とも駅を複数にし、かつ倉庫を設ける必要がでてくるかもしれません。
てなわけで、ここまでで会社はかなり大きくなっていて、資金はあるでしょうから、金に飽かせて路線と列車を増やせば、期限内にこのタスクもクリアできると思います。私が80万を達成した頃には、関東はこんな状況になっていました。
タスククリア後の東京周辺
というわけで、日本シナリオ初プレイでしたが、途中運賃でちょっとまごついたほかは特に大きな困難もなく、すべてのタスクを早期に終わらせ、1879年9月にクリアすることができました。ただ、ゲーム時間的には10年足らずでクリアできても、プレイ時間はかなりかかりました。何しろタスクが多く、マップの広い範囲を開発しないといけないので。最終的に駅は110か所、列車は355本に達しました。これより駅や列車が少なくてもクリアはできると思いますが、それでも相当数は必要なので、『Railway Empire』初プレイの方がいきなりこのシナリオに取り組むと、ちょっと大変かもしれません。最初はアメリカのキャンペーンやシナリオをやって、倉庫の使い方などにも慣れてからプレイした方がいいかも、と思います。
シナリオクリア後の画面
初プレイなのでポーズモードありでやったが、タスクをすべて早期クリアできたので「会長」獲得
ちなみにAIを「超上級」にしてある(ポイントがボーナス)が、そんなに手ごわくない
本記事が、『Railway Empire』プレイの刺激になれば、また日本シナリオ攻略の手助けになれば、うれしく思います。
続篇の「曲がりくねった道(日本南部)」の記事はこちらです。