訃報と若干更新
それはともかく、沼津で洋上ホテルとして使われていた北欧の客船・スカンジナビア号(本来の名前はステラ・ポラリス)が沈没したというニュースに驚き、かつ残念に思います。
この船は1927年スウェーデン製の5056総トン・全長130.4mのクルーズ客船で、ヨーロッパ王侯貴族のロイヤルヨットの系譜を受け継ぐ、世界的にみても貴重な保存船であったそうです。その後日本で浮かぶホテルとなったものの、先年廃業してしまいました。この事態に保存運動が少なからず盛り上がりを見せました(こちら参照)。この運動には小生の知人の方も関っておられましたので、多少の関心も持っておりましたが、おそらく日本の状況では保存は難しいのではないかと思い、どこかよい引き取り先を見つけて解体されずに船が残れば、それでまず良しとせざるを得ないのでは、というように思いました。
で、事態は大体そのように進んで、出身地であるスウェーデンが引き取るとのことになってまずまずの結果だと思っていたのですが・・・
沈没の原因は、座礁したり衝突したわけではないようで、結局老朽化で浸水したようです。80年物の老朽船を移動させるのに、単に曳船で引っ張るというのがよかったのか、今となっては繰言ですが・・・。浮きドックに入れて運ぶとか、予算の都合で出来なかったのでしょうか。
結局のところ、日本ではこういった船のような近代の遺産に関する関心が薄いという、文化的な状況に大元の原因があるのであろうと思います。残念ながら。
歴史を大事にするというのでしたら、是非こういった「もの」の保存に資金を投入すべきです。
そんな国が、世界で一二を争う造船国だったり、世界で一番早い電車を作ったり、世界で二番目に多く自動車を作ったりしているのが、不思議といえば不思議ですが。
世界で一二を争う造船国←例の時期のドイツ海軍?
世界で一番早い電車を作った←ドイツの220km/h出るやつ?
世界で二番目に多く自動車を作った←米、独?
という妄想が一瞬のうちによぎり、突然どうしてドイツの話になったんだろうと驚きましたが、良く考えると日本の話でした。
最近は漸くそういった動きも出てきたように思います。
もっとも、あっちこっちで各個にやっていて、連携が必ずしも取れていないような気も多少しますが、しかしこれからもこういった方向への関心が深まって欲しいと思っています。それだけに今回の件は残念で・・・。
>緒方氏
百年前なら確かにぴったりドイツ第二帝国にあてはまりますね。当時既にジーメンスの電車は実験線で200km/hという、蒸気機関車ではほとんど不可能な記録を作っていましたし。
鉄道の動力はいろいろ試みられてきましたが、火薬の爆発力を使った「弾丸列車」は多分試作されていないと思います。あと「自走列車砲」とかもないような。