トルコのバス事故
奇禍に遭われた方には哀悼の意を表しますが、しかし「トルコで日本人観光客交通事故死」というニュースにどうも何度も聞き覚えがあるので、トルコの交通事情って余程危険なのかと思ってしまいます。今回の事故はコンヤ・・・ああ、Konya ね、あそこは山岳地方で攻めにくいけど、多くのエリアに接しているから攻めざるを得ないんだよな・・・と、"Europa Universalis 2"のことをつい思い出してしまう自分に情けなし。まあ山岳だけあって事故も起きやすそうですが。
とまれ、ちょっと調べたら2001年にもトルコの交通事故で日本人観光客が亡くなっており、それ以前にも事故があったようです。ローマで事故った地下鉄に日本人が乗っていても驚きませんが、トルコの日本人観光客はそこまで多いとも思えません。トルコの観光地の多くが、カッパドキアの遺跡のように古代ローマ帝国やキリスト教関連の遺跡であることを考えると、ヨーロッパのキリスト教徒の観光客は日本人よりもっとずっといるはずで、トルコの交通事情は大丈夫なのでしょうか。
外務省のサイトを見ると、
交通事情と、当局のお墨付きでした。
道路交通事情、交通マナーとも良くはありません。警察の発表によると2005年の交通事故総件数は約57万件で、死亡者は約2,500人、負傷者は70,000人となっています。
交通マナーは良いとは言えず、信号無視、一方通行の逆走、猛スピードで乱暴な運転をする車両が多数見受けられます(特にタクシー、ドルムシュと呼ばれるミニバス)。事故に巻き込まれないための自己防衛に細心の注意を払う必要があります。
市街地でも信号機と横断歩道の位置関係がわかりにくい上、明らかに車両が歩行者より優先しており、道路を横断しようとしている歩行者がいても停止する車はほとんどいないので、徒歩による移動の際も十分な注意が必要です。また歩行者自身のマナーも決して良いとは言えず、車両の間を縫うようにして道路を横断することから、運転の際は注意が必要です。
またトルコの事情に詳しいこちらのサイト(バスの案内もあって便利。観光客はもとより、バスマニアも満足の内容)によりますと、
死亡者数は年間約5000人で、人口あたりでは日本とさほど変わらない数字。しかし交通量が少ないことを加味すると、事故に遭うリスクは高いと言わざるを得ない。と、外務省の倍の数値が挙げられています。どっちが正しいんでしょう。
ただ、トルコの一人当たり国民総所得は日本の十数分の一であるにもかかわらず、ガソリン税は日本より高く、自動車にも高い関税が課せられているようです。そんな交通事情の国でこの死傷者数となると、やはり「事故に遭うリスクは高い」ということは確かなようで・・・。
もっとも、暴論を承知で言えば、世界の「標準的な」交通事情とはおおむねこの程度であって、日本は異常なくらい諸々の交通機関が安全な国、というべきなのかもしれません。もちろんだからといって、現場の従業員に事故原因を負わせて事故調査の結論にしたり、飲酒運転をしていいというわけじゃないですけど。
さらにここから、リスクを減少し安全を達成してしまったが故に、リスクに過敏になっているという状況が日本にあるのではないかと話を広げることも出来そうな気もしたのですが、相変わらず終わるはずの業務が一向に終わらず、書く予定のネタも先延ばしになる一方という状況なもので、これ以上話は広げずにおしまい。