映画『硫黄島からの手紙』について愛国者が怒るべき点
さて、今日もまた抗議ネタみたいなものでしょうか(笑)
『硫黄島からの手紙』という映画が公開されたということで、前作の評判がかなり良かったらしく、本作も相当に注目されているということは、皆様もご存知であろうと思います。
で、先日、小生が指導教官と皆で食事をしていた折、本作が話題に上って、
教官「あれの題名って『いおうとう』? 『いおうじま』?」
小生「えーと、『いおうじま』だったかと」
教官「『いおうじま』の方がやはり普通なのかな」
小生「そうですね、アメリカの海兵隊にはイオー・ジマ級なんて船もありましたし」
教官「強襲揚陸艦だね。でも日本の戦史から入った者としては『いおうとう』なんだよな」
日本側の正式名称は「いおうとう」だそうです。ところが海軍の作った海図に Iwo Jima とあったから、米軍は「いおうじま」だと思ったようです(こちら参照)。なるほど映画の題名も Iwo Jima と書いてありますね。
でも、「日本から見た」のなら「いおうとう」にすべきなんだろうなあ・・・。
ちなみに今、「いおうじま」と打って変換したら一発で「硫黄島」が出ました(しかも「硫黄」「島」別々ではなく、一語で登録されている模様)が、「いおうとう」を変換したら「井応答」になりました。さすが米帝企業が作ったIMEだけのことはあります。
とはいえそのあと指導教官は言葉を継いで、「まあ近所の島が『ちちじま』『ははじま』だから無理もないか」と指摘。言われてみればそれもそうだ。
で、そこで小生がふと思ったのは、日本の固有の領土と見做される島は「~しま」「~じま」になって、外地・外国と見做されると「~とう」になるのかなあ、ということでした。外国の島だと、トラック島もオアフ島も済州(チェジュ)島も珍宝島もエロマンガ島も、みな「~とう」になっているし、と思ったので。硫黄島は明治以降の入植だから・・・と思ったのですが、しかしこの説にもかなり問題がありそうですね。
なによりこれだと、北方領土が日本の固有の領土ではないことになってしまう(苦笑)
指導教官に聞いた話では、硫黄島に例の星条旗を掲げている海兵隊員をかたどった記念碑だかレリーフだかがあって、それに弾痕が残されているそうです。なんでもヴェトナム戦争の折、硫黄島で飛行機を乗り継いだ帰還兵が、「お前らばっか英雄扱いされやがって!」と発砲したんだとか。
なので、なかなか硫黄島の映画は作られにくかったみたいですが、こんな風に大々的に製作されるとは時代も変わった、ということなのでしょうか。イラクが今混沌としておりますが。
で、そこで小生が思ったことは、今年は映画『日本沈没』リメイクとともに筒井康隆の『日本以外全部沈没』も映画化されたらしいので、ではここは同じく筒井先生の『「蝶」の硫黄島』を映画化してはどうか、ということなのでした。
※2007.6.20.追記:硫黄島についてはこちらの記事も参照