HMS センター試験
ところが今年は、逆に随分と地理の方が難しく、平均点で見ると世界史B68点に対し地理B58点と、これはこれで結構な差がついています。でも得点調整はしないらしい。なんだかなあ・・・。
受け持ちの生徒の点数が思ったほど延びずなんとも悔しいですが、地理に関しては多少は問題の難しさのせいもあるように思います(負け惜しみ)。
以上の話とは何の関係もなく、センター直前に過去問なぞを色々漁っていて、昨年実施の「世界史A」の問題が目に留まりました。普通の受験で使われるのはほとんどが世界史Bで、受験者も大部分がそちらです。センター試験翌日の新聞には問題と解答が付いてきますが、普通A分野の問題は省略されています。ですので演習用の過去問としても世界史Aを見ることは滅多になく、最近まで知らなかったのですが。
こんな問題がありました。昨年実施の「世界史A」第2問の問4です。
下線部④に関連して、17世紀にヨーロッパ諸国が本国に向かう外洋航海に使用していた船の図として最も適当なものを、次の①~④の内から一つ選べ。
で、問題としては至極簡単です。それはいいんですが、気になったのが選択肢1の軍艦。
一瞥して第2次大戦の英艦、それも巡洋艦であろうかと見当はつきましたが、はてこんな軍艦あったっけ? 2次大戦の巡洋艦で3本煙突といえばカウンティ級とか? でも砲塔の数が違うし、どだい随分小さい砲塔だな。高角砲みたいだし。
賢明なる読者の方は既にお気づきかと思いますが、小生は蔵書の『イギリス巡洋艦史』を引っ張り出してやっと思い出しました。いやはや戦史研員にもあるまじき失態。
これはアブディール級機雷敷設巡洋艦でした。
詳しいスペックはリンク先でも参照してもらうとして、要するに敵の制空権下の海域に高速力で強行突入して機雷を敷設するという軍艦ですね。実際には高速力を生かして地中海での強行輸送にも大いに活躍しましたが、そのような危険な任務だけに損失も多く、6隻中3隻が戦没しています。4隻最初建造されて、その後2隻追加されたくらいだから便利な艦だったことは間違いなさそうですが・・・。そしてその高速力とは、どうも最大は40ノット近く出たというとんでもないものだとか。
そういう意味でマニア受けする艦だけに、小生がすぐに気が付かなかったのは悔やまれますが、しかしセンター試験の嘘選択肢としては別にキングジョージ5世でも大和でも何でも良かったわけで、ここでわざわざアブディール級のようなマニアックな艦を引っ張り出してくるとは、やはり出題者も同類なのでしょうな。
こちらのサイトから拝借。図面と同じ向きなので比べやすいでしょう。
いろいろコメントに返信申し上げたいし、メールなどの返事も溜まっているのですが、何分すぐに風邪を引いて体調を崩してしまうたちで、昨日今日と調子が良くないので今宵はこれにて失礼。コメント返信などはしばしお待ち下さい。