エロマンガ界に激震走る~遂にあの論争に終止符
エロマンガ雑誌を多少なりとも読んでいる者であれば知らぬものなき伝説のハガキ職人・三峯徹画伯(詳細はこちら)。しかし画伯はこれまでハガキ以外で世間に姿を見せなかったために、そのお名前の読みを巡っては「みつみね」か「みみね」かで長年に亙り(なにせ画伯の投稿歴が半端じゃないので)論争を巻き起こしてきました。
一例を挙げましょう。ウィキペディアの「三峯徹」の項目(よくこんなのがあるなあ・・・)は、このように「みつみね」になっています(画像はクリックすると拡大)。
一昨日、「三峯徹非公式ファンクラブ」の掲示板に画伯ご本人の書き込みがあり、次のような方針が表明されたのです。
三峰徹 2007.03.26 Mon 13:41:40というわけで、「みつみね」が公式の読み方と決定したそうです。
「三峯」の呼び名についてですが、これから(2007.03,24以降)は、
美少女・エロ関係―「三峯」(みつみね)とし、その他―「三峰」(みみね)に決めました。「徹」(とおる)はそのままです。呼びやすい方を使って下さい。「みね」についても、どちらでもいいです。とりあえず、自分が使い分けて、世間に浸透するように、頑張って、投稿します。
一方「その他」は漢字を「三峰」読みを「みみね」とされる由ですが、その他の活動というのが何を指しているのか、何をされるつもりなのか、今後とも気になるところです。
小生は大してエロマンガを読んできた者ではありませんが(それにどっちかといえば単行本派)、それでも中学の時に『キャンディクラブ』を読んで「ヘタな絵だなあ(でも印象に残る)」と傲慢にも思い(まあリア厨のこととてご寛恕を)、高校の時に『ドルフィンJr.』『ポプリクラブ』を読んで「おや、あの人ここにもいるんだ」と驚き、大学の時に『ばんがいち』を読んで「おお、あの人だ」と感動した、そんな過去の日々のことが走馬灯のごとく頭をよぎります。
個人的には「みつみね」派だったので、今回の決定は何となく嬉しいです。ちなみに何で「みつみね」と読んでいたかといえば、秩父鉄道の終点の駅が「みつみねぐち」だったから、だろうなあ多分(駅名は「三峰口」ですが、そこから登る山にある神社は「三峯神社」です)。
ちなみに何で「三峯徹非公式ファンクラブ」の掲示板を今日チェックしたかといえば、先日のイベント「エロマンガ・スタディーズVol.1」(レポは以下に前半・後半 ※2007.4.30.追記:レポ完全版はこちら)について、出演者の永山薫氏がご自身のブログで「気が付いていた人もいたようですが、三峯さんらしき人が来てました。壇上で三峯ネタ振っておきながら、ご挨拶しそびれるとは不覚」と書かれており(この話題が出たことは記憶にあるのですが、メモし損ねたのでどの局面でだったかは失念)、これはこれは・・・と思って見に行った次第。
直接は、一月ほど前に掲示板で読み方を尋ねた人に応えたような形になっていますが、三峯画伯がこのタイミングで決断したということは、或いは「エロマンガ・スタディーズVol.1」で画伯の名前が出たとき、壇上の方々も読みを巡ってちょっと混乱していたことも、その一因なのかも知れません。
これまでハガキ職人として有名だった三峯画伯ですが、既に各方面で報じられている通り、先月サンシャインクリエイションに出展され、今回はイベントに足を運ばれたり、さらには名前の読みを確定し、二つの名前を使い分けて活動されるご様子。
現在、エロマンガ業界は警察に目をつけられており(こちらの記事で前に書きました)、その立役者・竹花豊氏の参院選出馬も囁かれ、さらに児童ポルノ法の改訂の年次でもあるという状況です。そんな時にこの三峯画伯のご決断は如何なる歴史的文脈で捉えられるべきなのか、ミネルヴァの――もといミツミネの梟は黄昏に舞わんとしているのか!?
※追記(2008.12.5.):トークイベントで三峯徹画伯のご尊顔を拝してきました。その模様はこちらへ。この記事で掲げてあるものの、その後削除されたWikipediaの「三峯徹」の項目も見ることが出来ます。
※更に追記(2010.10.16.):三峯画伯がなんと「タモリ倶楽部」に登場。その番組を見た感想などはこちらへ。
段々東スポか夕刊ゲンダイみたいな怪しい文章になってきました。
以下はちょっと真面目に告知というかお詫びです。
ここまでの記事を書くきっかけになった、3月28日付の永山薫氏のブログに次のような一節があります。
レポは他のブログで見ていただくとして、一部訂正しときますと、・・・このぐら乳頭の話題で、「女性器の付いてる男の子」ということを書いてしまったのは恐らく小生の記事であろうと思います。他にも同じ様な間違いをされた方がおられるのかも知れませんが・・・。
カオルくんには女性器がついていません。
なんのこっちゃ?
ぐら乳頭の話題のところで
「フタナリだけの女子校に、間違えて男の子が転校してきて…女性器のついてない男の子ですね…で、女装させられてフタナリ生徒やフタナリ女教師にバコバコにやられちゃって、最後はトチ狂った女教師が『孕ませてやるぅ』と絶叫」
というようなことをいうたんですが、「女性器の付いてる男の子」と伝わっちゃったみたいで、ほんとゴメン。
滑舌悪くてゴメン。
男子のアヌスを犯してんのに、それでも「孕ませる」と言いつのるのがスゲぇブチ切れててイイわけです。
ま、実際にお尻で妊娠しちゃったらさらに面白いんだけど一応、ぐら乳頭はそのへんはリアリズムなんでそこまではやりません。てゆーか、やれよ♪
こちらこそ良く聞いてなくて申し訳ありません。酒入っていたことが一因かもしれませんが、済みませんでした。お詫びして訂正する所存です。
なんとなれば、小生は「ふたなり」=「女の子+男性器」だと思っていたので、なるほど、「男の子+女性器」という組み合わせを新たに作って、性の観念を無茶苦茶にしたところに面白さがあるのかと思ったわけで。「男が妊娠」というのは、やおいに大変詳しい畏友たんび氏から、やおい業界では一時期そういうのが流行っていたと聞いたことがあったので、特にどうとも思わなかったのです。・・・・自分がまた別な方向で変態のように思えてきました。
というわけで、記事の該当部分を修正しておきました。大変失礼致しました。
このイベントに関連して、コアマガジンがエロマンガで寡占化というほど強い勢力を持っているということ話が出ていて興味深かったのですが、そこでふと思い出したのが、コアマガジンが99年まで出していたロリコン雑誌(「先鋭的少女愛マガジン」)の『Alice Club』。この雑誌、確かに月角(今回のイベントでお名前出てましたね)の漫画を載せたり、同人誌の紹介もしていたけれど、全体としてあんまり漫画に重きを置いていなかった印象があるんですね。それよりは子役の方が力点置いていたような。
それはコアマガジンの経営方針(ロリコンでも漫画は『ホットミルク』担当、という)だったのかもしれませんが、或いはもしかすると、いわゆる「ロリコン」と、「ロリマンガ」が好きな層というのは実はかなり乖離しているんじゃないか、そんな気もするのです。だとすると結構面白い話になるかな、なんて気もするのですが、資料を調べる時間がないので今日のところは思いつきだけで失礼。
一つだけ覚えているのは、エロパロ同人誌の紹介で編集部の付けた説明が、『カードキャプターさくら』と『サクラ大戦』を取り違えていた、ってのがあって、余程編集部は関心がなかったんだろうなあ・・・と。
※追記:上に書いた事情で、結局レポートは削除版を再度公開の運びとなりました。ご諒承下さい。
※更に追記(2007.4.30.):レポートの画像入り完全版を再度アップしました。こちらへ
>「男が妊娠」というのは、やおいに大変詳しいたんび氏から、やおい業界では一時期そういうのが流行っていたと聞いたことがあった
大変残念なことですが、「一時期流行っていた」ではなく、現在でも着実に一定数の作品が存在し、その中にはヒット作も少なくありません。
例えば最新刊の『MAGAZINE BE-BOY』は「BLファミリー特集」と銘打っていますが、メインは『SEX PISTOLS』という超人気作品のある801カップルの一家団欒(もちろん受が産んだ子供も一緒)シーンですから・・・。
もっとも801において男が妊娠・出産するのは狂気や萌えの表現手法としてではなく、801カップルが「世間的な幸福」と「子孫繁栄」を勝ち得るための「当然の帰結」として描かれるわけですが。
この辺りの女性心理、誰か分析してくれませんかね?
あえて(現実的ではない)男同士の愛を描く所にやおいの妙味があるのかと思ったら、案外「世間的な幸福」に陥ってしまうというのは興味深い点です。一皮剥けば保守的価値観が顔を覗かせる、という点では、必ずしも女性のやおいな方々に限られない気もしますが・・・。
コメントありがとうございます。
小生は全くやおいのことは分かりませんが、ただ上でたんび氏と議論して思ったのは、エロマンガのぐら乳頭のような方向で「男が妊娠」というのは普通の価値観を揺るがすような世界を創造する方向であるのに対し、やおいの妊娠はむしろ一般的な価値観に順応しようとして結果的にそうなったのではないか、ということです。だとすれば、永山さんの求めておられるであろう方向とは、やおいの「男が妊娠」ネタは違っているのかもしれませんね。
あとは専門家のたんび氏にお任せします。