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筆不精者の雑彙

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シルフィたんふにふに抱き枕押しかけ女房事件顛末記

 今日で3月も終わり、年度が替わります。
 年度が替わるといえば、少なからぬ方々が入学・就職など人生の節目を迎えられる目出度い時でもあります。今日はそんな折に思い出した、小生の関った昔話を、当事者の方からお許しも出たことですし、記してみたいと思います。
 ちなみに本件については、以前電波サークル「原辰徳前監督」の同人誌『茎』に書いたことがあり、内容が一部被っていますが、細部に異同があります。そこはあまり追求しないで下さい(苦笑)

 それは今を去ること数年前、小生の長年の後輩であった某氏が大学院に進学することになった折のことでした。某氏はオタクで、まあ色々な分野に手を出しているのですが、その一つとしてギャルゲー、エロゲー、美少女ゲームと呼ばれる類のものを相当に好んでおり、その分野にまるで興味のない小生にもその魅力を滔々と語って止むことがないのでありました(※注:当ブログにしばしばコメントを寄せてくださる某後輩氏とは別の人物です)。
 そんな彼が大学院に進学したので、小生は何かネタになる贈り物でもしようと考えました。ぎゃるげオタに送ってよさげなもの、ということで、これは抱き枕しかないだろう、と思い立ったのでした。で、彼と話をした折に、抱き枕志望のキャラクターを聞き出しました。彼の要望は『Princess Holiday』シルフィというキャラクターでありまして、ちょうどその頃公式グッズとして抱き枕が発売されるという話でした。

 参考リンク(電撃オンラインより・商品の画像あり)
※追記:電撃オンラインの記事消滅?によりこちらに変更

 この時点では、彼は流石に抱き枕まで手を出す気はなく、またこれを進呈しようかという小生の申し出も冗談だと思っていたようです。
 しかしもちろん冗談で済ますつもりはありませんでした。早速メーカーのサイトを見て、値段の高さにぶったまげました(この瞬間が、この計画推進時の最大のピンチだったと思います)が、ここで引いては名折れとばかりに購入を申し込みました。今でもアルケミストの顧客リストには小生の名前が載っていることでしょう。
 一方これと同時に、小生は同志の糾合に密かに取り掛かっておりました。某氏と小生との共通の友人に声をかけ、醵金を募ったのであります。彼の人徳のせいか、単にそういうことの好きな連中が多かったのか、七名もの同志が快く出捐してくれたのでした。

 数ヶ月経った某日、拙宅にブツが届きました。60センチ四方くらいの平たい箱でした。
 もちろんこれをそのまま右から左へ某氏の家へ転送しても、面白くもなんともありません。そこで小生は、拙宅への到着からしばし経った七月初旬、つまり某氏が抱き枕の話をあらかた忘れた頃を見計らい、協力者・労働収容所組合氏と共に、これを某氏宅に送りつける作業にとりかかりました。
 まずは作業に好適な某宅配便配送所まで、箱を担いで出かけました。某配送所は隣に公園があるので、そこで作業するのがよからんと思ったわけです。行ってみれば、よく晴れた昼下がりの公園には、数多くの幼児とその母親がおりましたが、幸い人目に付きにくい一角に陣取ることができました。
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 箱だけ見たら何の変哲もありませんが、これを開けるとこんな感じです。
シルフィたんふにふに抱き枕押しかけ女房事件顛末記_f0030574_1454896.jpg
 つまり布団圧縮袋の要領で、空気を抜いてぺったんこにした上で二つ折りにして箱に入っていたのです。これを如何にして送るか。
 まずはカッターナイフをふるって箱を開け、二つ折のシルフィを取り出して伸ばしました。問題はこの後です。圧縮状態のまま送るのはインパクトの点で詰まりませんし、かといって袋から出してしまうのは、使用済みみたいで送る相手に失礼です。しばし考え、袋に空気穴を開けてみることにしました。またもカッターを使って穴を開けます。昼下がりの幼児が遊ぶ公園でカッターを振り回す二人組の男。時節柄通報されても文句は言えません。
 空気穴を開けると、抱き枕はいい具合に膨らみました。「ふにふに抱き枕」という商品名通りの感じになり、なかなかよさげです。満足した小生は、このために製作した熨斗紙を、ガムテープで抱き枕の袋に貼り付けました。
シルフィたんふにふに抱き枕押しかけ女房事件顛末記_f0030574_203361.jpg
 この画像はクリックすると拡大表示します。
 「御入院」というのは、大学院に入ったからですね。

 これを担いで迅速に配送所に駆け込みます。労働収容所組合氏が壁に張られた運輸約款を見て、「公序良俗に反するものは送れないらしいですよ」とか弱気なことを言いますが、勿論無視。
 しかし問題は公序良俗ではありませんでした。等身大に近い抱き枕は、大きすぎてそのままでは送れないということだったのです。箱を用意しましょうかと言われますがそれでは意味がありません。すったもんだの挙句、透明の輸送用袋に押し込んで発送と相成りました。
 発送の際には時間指定を行いました。某氏はご家族と同居です。ですから、小生は某氏の大学院の時間割をあらかじめ聞きだし、氏が大学院に行っている時間帯を指定したのでありました。

 無事、某氏のご母堂様が受領してくださったそうです。

 この話のオチは、小生と七人のサムライが贈った抱き枕はこの一体だけだったにもかかわらず、現在氏は抱き枕三体と同居し、かつ抱き枕カバー4点を保有、近日中にも抱き枕カバーひとつを購入の予定だということです。
 一体何を持っているのかと先日小生が彼に尋ねたところ、彼は次のように言いました。
 「抱き枕はシルフィの他に、はにはにのほなみん、あけるりのふぃーな。カバーはおとぼくのたかこさん、あけるりのまい、雑誌の附録が二点。近日購入予定のカバーは諸葛亮孔明」
 前半は何を言ってるのか暗号みたいでよく分かりませんので、そのまま書き写しておきます。
 最後の諸葛亮孔明ですが、最近は横山光輝キャラも抱き枕になるのだとは存じませんでした。やはり腐女子向けなのでしょうか。
Commented by 檸檬児 at 2007-04-01 09:21 x
 十中八九、こちらの諸葛亮孔明のことではないかと。
http://chipp.vivian.jp/ikki.html

 もっとも最近では、「はわわ、ご主人様、敵が来ちゃいました!」と叫ぶ別の萌え孔明もいるようですので、即断は禁物ですが。
Commented by 労働収容所組合 at 2007-04-01 10:15 x
私は十中十、
http://www.tactics.ne.jp/~baseson/koihime/
だとばかり思っていました。私の想像力が欠如してましたね。
Commented by bokukoui at 2007-04-04 23:15
なんかもう色々ですね。
小生は一応ミリオタの端くれですが、イカロス出版の最近の出版物については、テポドンがあの会社を粉砕してくれないかと北の将軍様に祈る日々です。

『蒼天航路』のキャラクターとかなら、抱き枕化して腐女子に売りつける、なんてのもありでしょうかね。
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by bokukoui | 2007-03-31 23:56 | 思い付き | Comments(3)