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筆不精者の雑彙

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お気楽アメリカ紀行(9)~プレーンズ・オブ・フェイム(アリゾナ分館)II

 昨日に引き続き、アメリカ旅行記の続きで、プレーンズ・オブ・フェイムの展示物を紹介します。旅行記の他の記事は以下を参照。

 (1)オレンジエンパイア鉄道博物館への道
 (2)オレンジエンパイア鉄道博物館・その1
 (3)オレンジエンパイア鉄道博物館・その2
 (4)パームスプリングスのロープウェイ
 (5)パットン将軍記念博物館
 (6)フェニックスからセドナを経て
 (7)フラッグスタッフからグランドキャニオンへ
 (8)プレーンズ・オブ・フェイム(アリゾナ分館)I
 (9)プレーンズ・オブ・フェイム(アリゾナ分館)II(この記事です)
 (10)フーヴァーダムを経てラスヴェガスへ
 (11)デス・ヴァレー国立公園
 (12)ヴェニス これが本当のネオ・ヴェネツィア

 プレーンズ・オブ・フェイム・アリゾナ分館の最大の売りであろう展示物、とはやはりドイツの戦闘機Bf109であろうと思われます。入場料徴収のおばさん曰く、「プロペラ以外は全部オリジナルパーツ」だそうで。Bf109は第2次大戦ドイツ空軍の主力機で、世界史上最も大量生産された戦闘機としても知られています。ちなみにこの戦闘機が装備していた液冷エンジンは、前回の記事に出てきた彗星艦爆のエンジンと同系統のものです。ドイツではこのエンジンを大量生産していたわけで・・・。
 以下、写真はクリックすると拡大表示します。
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メッサーシュミットBf109 G-10/U-4

 これは大戦後期のドイツ空軍主力機であったBf109のG型の、さらにだいぶ後期のものです。G型はG-6が最多生産型として著名ですが、それを改良した(G-6の特徴であるエンジン上面のコブが無くなったのが外見上の識別点)のがG-10なんだとか。この機体も1944年に生産され、東部戦線に投入されていたのが最後米軍に降伏し、アメリカでテストされた後博物館に引き取られたそうです。配属されていた部隊は、第52戦闘航空団の第II飛行隊・・・って、これはかの史上最高撃墜スコア(352機)を持つエーリッヒ・ハルトマンが率いていた部隊ですね。といっても彼が第II飛行隊長だったのは1945年1月の半月だけだそうですが(その後第I飛行隊長に)、しかし時期的にはこの機体もハルトマンの下で戦ったことがあったのではないかと思われます。
 他のアングルからも色々と。
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右側から 車輪格納部を収めるため主翼上面が盛り上がっている

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機首下面から
各種の空気取り入れ口やBf109の特徴(弱点)であったハの字型の脚部に注目

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後部から全体像

 他の機体も紹介しましょう。
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グラマンG32A(F3F-2の複座仕様)

 これはアメリカ海軍最後の複葉艦上戦闘機F3Fの一種、のようです。星型空冷エンジンを樽の如き胴体にくっつけた形がなんともユーモラスで、1930年代半ばの風情を漂わせています。第1次大戦的な複葉布張りor木製固定脚吹き曝し操縦席と、第2次大戦的な(さっきのBf109に代表されるような)単葉金属製引込脚風防付操縦席との、ちょうどあいのこの姿をしています。
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グラマンJ2F-6 ダック

 これまたグラマンで複葉で引込脚で、やはり1930年代に開発された水陸両用機です。もっともF3Fが第2次大戦には参戦しなかったのに対し、対潜哨戒なんかがお仕事の本機は第2次大戦で働いています。ダックという愛称は、水鳥だから当然といえば当然ですが、着水用の大きなフロートがアヒルの水かきみたい、という気も見ているとします。

 ちなみに館内には、飛行機以外に車輌類もいろいろとありましたが、一つだけここにご紹介。
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装甲車

 さて、展示物は建物の中だけではなく、屋外にもありました。前回紹介した航空写真にも写っていますが、建物の西側に古いジェット機が何機か置かれています(確か小生たちが見に行った時はもっとあったような)。幾つかご紹介しましょう。
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MiG-15 右手に一部見えるのはF-84B(多分)

 皆様お馴染みのミグですね。機体後部のエアブレーキが少し開いています。機首の機銃などはすっかり錆び付いていました。もう一機、赤い星をつけた単発ジェット機がありましたが、詳細不明。
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デ・ハビラント・ヴァンパイア

 イギリス軍(辛うじて蛇の目のマークが・・・)の初期のジェット戦闘機ですね。単発双胴という特徴ある機体です。

 そしてその隣には、なんと日の丸のついた飛行機が。
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ロッキードT-33シューティングスター練習機

 米軍最初の実用ジェット機であったP-80(のちF-80)の練習機仕様で、空自でも長く使っていた飛行機でしたが、まさかこんなところで空自の飛行機に出会うとは(わざわざ他のT-33を空自カラーに塗るということはちょっと考えにくいので)。

 この他にも数多くの飛行機やパーツ、各種展示や自動車などがあり、またお土産物コーナー(それほど大した規模ではない)などもあって、小生は大変楽しく時間を過ごせました。もっとも同行いただいたH氏とK氏にはどこまで楽しんでいただけたかは未知数ですが・・・。小生は何時間居ても構わないのですが(笑)、やはり行程上あまり長居をするわけには行かず、H氏の体調もかんばしくないので、適当なところで切って先を急ぐこととしました。
 ただ出発前に、併設されている自動車の資料館?(T-33の後ろに見えている建物)を駈足で見てきました。ここには古いオートバイや自動車が展示されていましたが、小生が面白いと思ったのは、有名なT型フォードのシャーシを利用して作られたトラックやタクシーのような車輌が幾つかあったことでした。ちょっとだけ紹介。
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T型フォードベースのタクシー(Depot Hack)
後ろは同じくT型フォードベースの配送トラック(Delivery Truck)

 そういえばアメリカの電車にとって最初の自動車による攻勢は、1914年に登場したT型フォードによる「ジットニー」と呼ばれるバスのような乗り物(フィリピンのジープニーみたいなもんでしょうか?)だったそうで、T型フォードの衝撃はかなり広いものだったんだなと思った次第でした。

 とまれ、充実した見学を終えて、今日の宿のラスヴェガスを目指します。プレーンズ・オブフェイム立ち寄りに賛同してくださったH氏とK氏に多謝。
 以下、フーヴァーダム篇に続く。
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by bokukoui | 2007-06-15 23:45 | 出来事 | Comments(0)