みかんの食べ方の話
昨日はあんな調子でしたが、幸い今日は睡眠時間の記録を更新しないで済みました。ありがたやありがたや。
で、そんなこんなのうちに立冬が過ぎ、冬になっていた模様(今年の立冬は8日だったとか)。熱射病のダメージから立ち直りきれぬうちに冬とは、なんともはや。いい加減治って良さそうなものですが。
という季節の変わり目に際して、上掲の短歌を思い出して・・・というわけでもなくて、ずっと前にこのシーズンに備え仕込んでいたネタの再利用ですが、蜜柑の話など。
小生の本籍地はかつて、みかんの名産地たる和歌山県有田(ありだ)市だったもので(今は違いますが)、季節になりますとどこからともなくみかんが送られてきて良く食べたものでした。で、時としてお裾分けをすることも間々あったのですが、そうやって他の人にみかんを食べさせてみると、食べ方が我が家と(及び和歌山の親類一同と)違っているということに、子供の頃から気がついていました。
それがどういうことなのか、ちょうどよく手ごろに説明してくれている文章があるので以下に引用。出典は岩川隆『コレラ戦記』(潮出版1978)です。
ヨソ者は、みかんを食べさせてみればすぐわかる。皮をむいて食べる人種は、まず紀州人、有田人ではない。実の袋を口から出す人間はあきらかにヨソ者である。地元の者たちは、皮をむかないで、いきなりみかんを二つに割り、それをさらに割って四つの塊にし、そこではじめてそれぞれの皮を剥いて、身を袋ごと口に放り込む。それも一つ一つの実を食べるのではなく、四分の一ごと口中に入れて、頬張って食べる。いつ頃からそういう風習になったのかわからないが、みかんの量が豊かなせいだろう。(p.126)この本は、1977年に和歌山県有田市で起こったコレラ騒動の模様を描いたものです。そこそこ面白い本ですが、著者としてはどこにでもあるような「日本の町」を舞台として起こった出来事を描きたかったというものの、有田のことを全く知らない人が読んでも面白いかは、ちょっと小生には分かりかねます。
補綴しておくと、みかんを「割る」といっても完全に分離するのではなく、ヘタの附近で皮は繋がったままにしておきます。そうすると皮の処分も簡単。みかんの大きさによっては4つより3つに割って三口で食べることもあります。というか、それくらいの小振りの早生のものの方が美味しいような。
で、これは愛媛とか静岡のような他のみかんの産地でも同じようなことがあるのかな、と昔から疑問に思っているのですが、どなたかご存じないでしょうか。



果物屋さんが試食用にみかんを割ることがありますね。ただしへたのところの皮は分離してますけど。
なるほど、凍傷予防。マーマレードにしてもいいのでしょうか。
あと確か、皮と実の間の白い部分にはビタミンPが多かったかと思います。
>異界洋香奈さま
他にも静岡については否定的な見解が寄せられております。どうも静岡は違うのかもしれません。あとは愛媛ですが・・・。


小生が、スキー場で働いていたころ、発破作業に随伴するときなどは先輩に言われて、みかんやマーマレードを持っていきました。(ダイヤモンドダストの中、人工雪崩を起こせるために随伴したことがあります。)