今日の東急デハ5001号の状況(42) そして岸さんのことを少し
ご葬儀は前橋でしたので、小生は湘南新宿ラインで高崎線に出て同地へ向かいました。その途中、王子駅附近でふと車窓に目をやると、飛鳥山の急坂を都電が駆け下りてくるのが一瞬目に入りました。そのほんの十日ばかり前、自分はあの電車に乗って都電のイベントに行き、岸さんが行列整理に駆け回っているお姿を見かけました。その時はあまりにお忙しそうだったし、それにどうせまた鉄道関係のイベントなど、自分も鉄道史の学会で報告したりすることもあるわけで、岸さんに会う機会なんていくらでもあるだろう、そう思ってその場を立ち去ったのでした。
いやはや。
岸さんの業績の一端なりとも継ぐ、というのもおこがましい話ですが、そもそも現在の自分の方向自体がいくらか近いところにあることは確かですので、今仕掛けていることをきちんとすることが何よりと思うに至りました。それを口実にして日常に回帰しようとしているだけなのかもしれませんが。
で、ブログも平常に戻すきっかけに、この鉄道遺産保存失敗例の追跡企画を、と考えたわけではないのですが・・・
何か草臥れていたので起きられず、以下の写真を撮ったのは昼ごろです。雨天閉鎖のデハ5001ですが、このときは雨の晴れ間を縫って開いていました。このあたりの対応は相変わらずきめ細やかです。
先ずは例によって全景を。この写真はクリックすると拡大します。
久し振りに観察すると、今までと少し違うパターンの傷が幾つか生まれていることに気がつきました。これまで傷が多かったのは、人の出入りが多いドア周辺や、錆の影響が出てきやすい窓枠周辺でした。今回の観察でも、このあたりの傷はもちろん少しづつ増えていることはわかりました。しかしそれ以上に、ドアや窓など傷を作りやすい要因が少ない箇所に、小さいながら傷が見受けられるようになりました。
まず一つには、これは今までも多少あり、また形からいって傷はできやすそうなのですが、車体側面のリブです。表面の塗料が剥がれている箇所が散見されました。一箇所例示します。これは車端部寄りドアのそばです。
リブという出っ張ったわけでもない箇所でも、同じような傷が何箇所か目に付きました。
また傷ではなくても、このあたりには汚れも目立ちました。
傷や汚れとは別に、これまでも多少その傾向はあったと思うのですが、外板に歪みのようなものが見られます。窓枠の周辺などでは下から持ち上げられたような歪みとひび割れがだいぶ前からありましたが、これは特にそういうことのなさそうな箇所です。歪みというか、ぽこりとあぶくのように少し持ち上がった箇所が幾つかありました。
なお、車内の展示は前回の時とほとんど変わっていませんでした。