エロマンガのことなど・女性が面白がったエロマンガの一例
そんな日々でネットも碌に見ておりませんが、ふと見た有村悠氏のブログの最新の記事に深い感銘を受け、何がしか一筆物したい気分になりました。
男女でエロマンガについて楽しく語り合うためには
感銘を受けた点は多岐に渡り、そうそう簡単には書けません。
勿論至極単純に「面白い」話題ではありますが、多分小生がこの記事を単に「うん、面白い」と読み流さず、ここで一筆ものそうと思ったのは、有村氏の峻厳な態度に感ずるところがあったからだと思っています。何よりこの有村氏の記事中最も衝撃的であろう注釈2の内容については、本文の論旨上は書く必要は必ずしもないはずです。それでもそれを書かなければならない、と有村氏は決断された、そういった自分(の嗜好すること)への厳しさが、読者に(殊に小生のようないい加減な人間に)少なからぬ衝撃を齎すのです。
ただ、エロマンガの話をする上では、その峻厳さがちょっと話を単純化しすぎてしまっている面もあるかもしれない、とも感じました。
そりゃあもちろんエロマンガは「男性の場合かなりの割合でオナニーに結びつく」ものですが、といってそれを「バイブやローター」と同じようなオナニーツールと規定してしまうのも厳しすぎやしないかと思うのです。上掲記事のコメント欄で有村氏は、「エロ漫画がポルノグラフィである以上、描線も肉体や表情のデフォルメもコマ割りもネームもシチュエーションも、すべてがエロと緊密に連動している、否、エロのためにこそ存在していると考えるべき」と書かれています。しかし、オナニー用具としては、エロマンガはそもそも、いわば夾雑物が入っているものともいえます。そこが面白いところであり、だから話の種にもなりやすい(少なくともオナホールの話よりかは)となるのではないかと。で、なるほど夾雑物ではあるけれど、案外そっちがエロマンガの「らしさ」を生み出しているとも思われるのです。
思うに、その夾雑物のお蔭で、ずばりオナニーの話をすることが恥ずかしかったりしても、間接的な形で話ができるので、かえって話題に性的なことを載せる上ではやりやすいのではないかと思います。有村氏はそれは誤魔化しだ、と仰るかもしれませんが、すべてのコミュニケーションが原理的に突き詰めねばならないものでもないと思うのです(ちょっと大げさな言い方ですが・・・)。
とまあ多少の文句はつけてみましたが、小生は永山薫氏の『エロマンガ・スタディーズ』の、多分熱心な部類に入る読者だけに(?)、すべてが「エロのために存在」というほど一元的に割り切るのに抵抗感があったもので。それだけ有村氏の姿勢が峻厳なものなのだと思います。
それはそれとして、以前、「ロリコン」の話題を、雑誌『Alice Club』を題材にして書いたりした小生としては、いわゆる狭義の「ロリコン」と、いわゆる二次元で「ロリ」云々というのとは、結構断絶があるんではないかと漠然と思っていました。それだけに有村氏の「性癖」については、一度お会いしてお話を伺ってみたいとも感じた次第。
最後に、有村氏の記事にコメントするだけというのも偉そうなので、個人的経験をば。
ずいぶん以前のことですが、小生に「エロマンガなるモノを見たいぞよ」と仰った女性がおられましたので、小生蔵書中から比較的とっつきやすそうなのを数点選んでお目にかけたことがあります。その時のラインナップは、確か加賀美ふみを・町田ひらくあたりを中心に、田沼雄一郎『SEASON』とか、長月みそか『あ でい いん ざ らいふ』とかLO系若干、無難そうなホットミルク系、参考までにカマヤン先生あたりも出しておきました。流石に、もりしげだの氏賀Y太だの栗田勇午だのは出しませんでした(苦笑)。基本的には絵が可愛いことを基準に選んだ覚えがあります。
で、一番好評を博し、彼女が借りて持って帰っていったのは、ぢたま某『気分2』『気分22』でありました。主人公の奈美ちゃんの一途さが魅力的、とのことで。なるほど、女性視点からのそういう読みもあるんですね。
なお、『気分2』シリーズを女性に見せても、ぢたま某先生最高傑作といえど『聖なる行水』は、目に付かないところに仕舞い込んでおいたことは言うまでもありません。



あと、男性用エロゲームでも女性に人気のあるものがありますね。
いきなりリアルな輪姦シーンから始まるアリスソフトの「アトラク・ナクア」なんて、同人誌を出している女性サークルも複数ありますし、人形イベントで登場キャラ2名の制服を製作して頒布して女性ドレス職人さんもいました。
・・・例示した女性が特例過ぎたでしょうか。(笑)




仰るとおり、個々の事例は特殊すぎる?ようですけれど、しかし特殊な事例事態に結構ぶつかるとなれば、広い視野では決して特殊ではないのかもしれません。
いやまあ、檸檬児さまの場合は「達人は達人を知る」の一文で済ませてしまっていい気もしてます(笑)。
話題が話題のせいか、非公開コメントで御意見を寄せてくださった方が複数おられます。一人で読むには勿体ない内容なのですが・・・やはりそう気軽に公開できるものではないのでしょうね。
小生自身、『げんしけん』のコーサカ君の台詞の通り、「最後の一線は守り通している」訳ですから・・・。