今日の東急デハ5001号の状況(45) 今回は関連情報もいろいろ
※完成が遅れておりましたが、ようやく完成しました。情報量的には相当なものになりました。(2008.10.6.)
まずは例によって全景を。この写真はクリックすると拡大します。
以下に主だったところをかいつまんでご紹介。
(この写真はクリックすると拡大します)
車体の外部については大体こんなところで、大きな変化があるとは言えませんが、少しづつ傷は増えてきており、また汚れはかなり増えておりました。
車内の展示はこのようになっておりました。
さて今回は、車輌の現場での管理をされている渋谷区サービス公社の方から多少のお話を伺いましたが、以下のまとめはあくまでも小生の手になるものであり、文責は墨東公安委員会にありますので、その旨ご諒承下さい。
まず、来場者は一定のペースで落ち着いているそうです。土日はたくさんの人が来るのは昔からのことですが、最近はこのデハ5001を見に来る子供の鉄道趣味者なんかもいるそうで、渋谷区サービス公社の方は自分でデハ5000系の資料(設置当初に配布されていたもの)をコピーしてそのような子供向けに配っていたとの由。子供に「どうして車体切っちゃったの?」「台車取っちゃったの?」と聞かれると返答に窮する、と苦笑されておられました。最近の「鉄道ブーム」の影響なのかどうかは分かりませんが、そういった前途有望な(お先真っ暗だって!?)子供がいることは大変心強いことです。
車体の傷や汚れについては、待ち合わせ場所のメッカとなっている以上、人が寄りかかったり鞄などの金具などがぶつかったり、靴でつい蹴ってしまったり、そんなこんなでどうしても汚れているとのこと。
さて、渋谷は今年地下鉄の副都心線が開業し、今後は東急東横線の地下化が進められるなど、再開発のまっただ中にあります。で、渋谷周辺の再開発については、今年の6月に「渋谷駅街区基本整備方針」というのが出ていました(リンク先はpdf)。これによると、ハチ公前のスクランブル交差点から246号線に抜ける区間の車道をバスターミナルにして一般車を締め出し、埼京線ホームを山手線に並列させ、銀座線を島式ホームにして東に移転させる(かえって不便かつ混雑しそうな気も・・・乗降ホームが分離しているので慣れない人にはアプローチが分かりにくい面はありますが)といった案が示されています。ハチ公前広場も「拡充」という方針が記されています。
で、この再開発で、このデハ5001をどうするかということは、まだ決まっていないそうです。上掲リンク先の整備方針は識者と役所と鉄道会社が作ったもので、「今後、地元との調整や関係機関との協議を重ね・・・」云々とありますから、あくまで方針に過ぎず、細かいことはこれから決めるわけですね。しかし、このような再開発をすること自体はずっと前から規定方針だったはずで、そこに爾後の整備方針とは別に5001を置いたのだとすれば、二度手間になる可能性もあり、産業遺産云々を抜きにしても感心しない話です。
ここしばらくのデハ5001追跡の印象では、地元商店街や町会といった方面のこの車輌への関与は薄まっている印象がある、と報じましたが、再開発の中での5001の活用については、行政が決めるよりも地元から何か提案していこう、という動きもあるのだそうです。地元の街づくり協議会のトップの方は、渋谷に岡本太郎の壁画「明日の神話」を招致する上で多大な尽力をされた由ですが、そういった活力がこの方面に向けられることもあるのかもしれません。
なお、この街づくりのための協議会には、デハ5001の件にも深く関わっている、セコムやガーディアン・エンジェルスも参加しているのだそうです。
そしてもう一つ、大変気になる情報をキャッチしました。
それは、オンブズマン?によってこのデハ5001が、当初の目的外の使われ方をしており、税金の使途として不適切であるとして訴訟を起こされていたというのです。それが去る8月に一審判決が出て区側の勝訴に終わったとのこと。
もともとこのデハ5001号の破壊とモニュメント化は「民間交番」という趣旨で始まったのが、警察の反対などがあって現在のような待合室とも展示場ともつかない使われ方になったのですが(この辺の経緯については、この「[特設]東急デハ5001号問題」の発端の記事を参照)、それは目的外の不当な支出とも考えられます。座席があるのは本来の趣旨と違っていておかしい、という指摘もあったとか。
ですからオンブズマンによってそのような訴訟が起こされること自体は想定できるのですが、しかし今までそのような話を聞いたことが全くなく、またネット上でも情報が掴めませんので、現在のところは詳細はもとより真偽も不明です。時間的余裕ができたら裁判所に行って記録を探してみます。
ところでオンブズマンというのは、この「渋谷オンブズマン」のことなのでしょうか? このブログからは本件に関する情報はありませんが。またこのオンブズマンは、以前宅八郎氏を渋谷区議に擁立した団体と関連があるのでしょうか。このあたりも出来れば知りたいところです。
読者の皆様、もしありましたら情報、タレコミを宜しくお願いいたします。
やや旧聞に属しますが、東急車輌が日本初のステンレスカーであるデハ5201を「東急車輌産業遺産」として、自社の工場で保存することにしたそうです(リンク先はpdf。こちらのRM誌名取編集長のブログにも記事があり、写真が多くて分かりやすい)。今や日本の電車の多くがステンレスカーになり、その始まりはまさにこのデハ5201である以上、このような措置が執られることはまことに時宜に適ったことと思います。しかしながら、この5200系のベースともなり、幾多の技術革新のきっかけとなった5000系のトップナンバー・デハ5001も同様の待遇を受けて然るべきものと考えずにはおられません。また一時は、この両者は同等に扱われるはずだったのではないかと思われる節もあります(こちらの記事参照)。或いは、5001の事態への反省もいくらかは含んで、このようなことが行われたのかもしれません。
再開発による5001への影響がどうなるかは今のところ全く未知数ですが、行政・区長・地元・電鉄・セコム・GAなど諸勢力が再開発を巡って各々の意向をぶつけ合うなかで、今よりはましな状況になることを期待するしかありません。しかしまた逆に、その中で5001が行き場を失って・・・という事態も全くあり得ないこととも言い切れません。
そのような情勢の中で、現在のところこの5001を巡って、肝心の東急グループの影が大変薄いように感じられることは、一沿線住民としてもまことに遺憾であります。
長々と、あまり楽しからぬことを書いてしまいました。おまけ画像として、この日5001の側で撮影した、「笑い」に関係しそうな画像を掲げておきます。
(この画像はクリックすると拡大表示します)
余談ですが、氏の街宣車? は