2006年 06月 06日 ( 1 )

メイド徒然話~スパゲティ理論本論(3)完結篇

 昨日の続きです。やっとおしまい、の予定。

※追記:この一連の記事は、再編集・加筆訂正の上、MaIDEREiA出版局サイトこちらに収録してあります。

 スパゲティの歴史を、小生の愛読書である石毛直道『文化麺類学ことはじめ』(講談社文庫から再版)を参考にして述べれば、パスタの由来はよく分からないが(ローマ時代にラザニアの元があったという説あり)12世紀ごろ以降から記録に顔を出しているとの由。17世紀ごろからナポリで現在のような押し出し機によるパスタの大量生産が行われ、またこの地で17~18世紀にトマトソースがパスタ調理に用いられるようになって、これがフランス料理に取り入れられて「ナポリタン」の語源になったのだとか(有名な話ですが、ナポリにナポリタンはないのです)。
 さて、イタリア南部は貧しかったもので移民の流出が多く、19世紀に多くの人がアメリカに移民しました。それに伴ってイタリア料理がアメリカにも伝わり、同地でも食されるようになりました。
 ところがここで一つ問題がありました。スパゲティは本来硬質小麦の粉で作られています(デュラム・セモリナというやつですな)。これによって独特のコシと色合いが出るのですが、これはイタリア南部特産で北イタリアでも作られていなかったそうで、アメリカでも入手困難だったらしく、アメリカでは普通の小麦で作られたスパゲティが缶詰で流通するようになり、それがスパゲティとして通用します。それは糊のように柔らかくべったりしていて、アルデンテとは程遠いものでした。
 スパゲティの歴史を長々書いていてもしょうがないので以下端折りますが、このアメリカ版スパゲティが日本に戦後移入され、例えばスパゲティナポリアンなぞになったわけですが、もちろんこれは実際にナポリで食されていたスパゲティとは大違いなシロモノだったのです。
 そして、比較的後年になってから(1980年代くらいでしょうか)、よりイタリア本国のそれに近いスパゲティが改めて日本に導入され、喫茶店のナポリタンと異なるイタメシのパスタが都市部を中心に普及しました。かのバブル演出集団・ホイチョイプロダクションの漫画『きまぐれコンセプト』のネタだったかと思いますが、イタメシ屋に行ったおじさんが「ナポリタン」と注文して呆れられる、というのがありました。スパゲティのイメージが、年代差や地域差を反映していたんですね。もっとも今では、そんなことは余りなくなったでしょう。むしろ「昭和レトロ」ブームとやら(これも「メイド」ブーム並み、いやそれ以上に怪しいと思います)のせいでナポリタン的なものがかえって称揚されたりもしていますね。

 で、やっと「メイド」の話になるのですが。

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by bokukoui | 2006-06-06 23:58 | 制服・メイド | Trackback | Comments(5)