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2006年 12月 22日 ( 1 )

乾パンの美点

 ここんとこ重量級の記事ばかり書いていて流石に疲れたので、今日は軽い話。

 先月の駒場祭の折、ラーゲリ緒方氏の肝煎りにて自衛隊の方に展示にご協力いただき、その際に携行口糧の類をいわば「食べる展示」としてご提供いただきました。で、その際に余った乾パンをふた袋ほど貰ってきたのでした。気前いいな自衛隊、と思って乾パンの袋を良く見たら
 「品質保持期限 2006・3」
 ・・・期限切れでした。

 とはいえ、実質上のところ何も問題はなかったので、ありがたく戴きました。結構量があると思っていましたが、一月摘んでいたら流石になくなってしまいました。この味、結構好きなのです。

 乾パンは元々日本陸軍が携行口糧として開発したものだとかいいますが、その開発の中心人物の一人が川島四郎氏であったそうです。と、むかし川島氏の書いた本を読んで知りました。サトウサンペイとの対談本だったっけかな?(親が誰かから借りたらしい)その中に結構乾パンの話も出ていて面白かったです。乾パンに胡麻が入っているのは川島氏のアイディアらしいとか、味付けは何日もそればかり食べて作戦することを考えて薄味にしたとか、そんなことが書いてあって感心した覚えがあります。
 で、ここ一月乾パンをかじっていて、乾パンの美点にもうひとつ気がつきました。今クレフェルトの『補給戦』を用事の行き帰りに読んでいて、そこに西洋の携行口糧=ビスケットが登場します。物の本によるとこのビスケット、保存性重視で無茶苦茶堅く焼き固めてあったので、叩いて砕いたり水に浸けたりしないと、とても食えたものではなかったとか。そういえばクラッカーの類も、そればかり食べると口の中がモソモソして不快な感じがします。チーズなぞのっけてブドウ酒と、というのなら話はまったく変わりますけど。
 しかし、乾パンって水なしでそのまま食べても結構食べられるものなんですね。これには感心しました。保存できるように水分は充分少なくしてあるはずなのですが、不思議と水なしでも幾つも食べられます。同じことをクラッカーでやったらとても我慢ならないでしょう。まさしく戦場向き。
 いやあ日本陸軍も時にはなかなか気の効いたものを開発したなあ、と思いましたが、しかしいくら乾パンの出来が良くても、前線まで届けられなかったら意味はないですね。

 最後に、川島博士の本に書いてあったトリビアを思い出したので一筆。
 乾パンなんかは水分が極めて少ない食品のように思われますが、いろいろある食品の中でもっとも水分の含有率が低いのはチョコレートなのだそうです(水分1%)。とろけるので一見水気を含んでいるような気がしますが、あれは油脂分とかなのでしょうね。
 なるほど、だから乾パンと一緒に入れてある甘味は金平糖であってチョコレートじゃないのか?

by bokukoui | 2006-12-22 23:58 | 食物 | Comments(3)