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2011年 12月 31日 ( 1 )

橘川武郎『東京電力 失敗の本質 「解体と再生」のシナリオ』『原子力発電をどうするか』略感

 2011年はなんといっても、震災と原発事故の年でした。そこから電気事業のあり方について議論が盛り上がった・・・ようなそうでもないような世相となり、電力業史を一応学んでいる者にとっては考えさせられる、もっと言えばインフラ事業という歴史的な積み重ねが事業の性格を大きく左右せざるを得ない産業について、多くの人々があまりに無関心であることに衝撃を受けざるを得ませんでした。
 当ブログでは少しでもその関心を喚起する一助になればと、震災以降幾つか電力業史の記事を書いてきました。その効果は大してあったとは思えませんが、しかし何もしないというのもあまりに寂しく思えたのです。

 さて、そんな今年を締めくくるために、日本電力業史について現在第一人者とされている経営史学者・橘川武郎先生が、今年震災を受けて発表された本について、簡単にでも(本格的にやるとものすごく大変なので)取り上げてみようと思います。

 取り上げる本は、

 『東京電力 失敗の本質
(東洋経済)

 『原子力発電をどうするか』
(名古屋大学出版会)
 の2冊です。

 このうち、『東京電力 失敗の本質』の方は本年11月の発行で、『原子力発電をどうするか』は8月に出版されています。またタイトルの通り、後者が原発の今後の政策のあるべき姿についてに話題を絞っているのに対し、前者はより広く、日本電力業発展の歴史を踏まえつつ、今後の電気産業全体の方向性について論じています。ですので、後者の内容はおおむね前者に含まれているともいえますから、本稿は基本的に前者について書きますが、後者の内容にも触れることになると考えます。

(続きは以下に)

by bokukoui | 2011-12-31 23:59 | 時事漫言 | Comments(0)