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筆不精者の雑彙

bokukoui.exblog.jp

38度線突破

 朝鮮半島情勢ではなく、体温計の目盛りのことです。
 というわけで、下の書き込みにいろいろ反応をいただけて誠にありがたいのですが、今日は静養させていただきます。
 今冬は寒い日が多いようです。皆様も体調にはお気をつけください。
# by bokukoui | 2006-01-16 21:34 | 身辺些事 | Comments(1)

極私的オタク論その1・ネコはオタクに鍛えられたのか

 些か旧聞になってしまいますが、今月10日付日本経済新聞長官1面の「ニッポンの力(9)」なる記事が、「オタクが鍛える市場」と題して、以下のように記していました。
 「オタク」が鍛え上げた企業が今年夏にも株式を公開する。三十二の専門誌を出版するネコ・パブリッシング(東京・目黒)。自動車、鉄道関係を強みとし、愛車と楽しく過ごすためのガレージ作りに関する情報だけを載せる「ガレージライフ」なる雑誌も年間四回、発行している。
(中略)
 昨年初めに創刊した旧国鉄列車のファンに向けた「国鉄時代」も予想の二倍の売れ行きを記録した。最新号には政局で多忙なはずの民主党代表、前原誠司(43)も寸暇を惜しんで書いたエッセーを寄せている。
 社長の笹本健次(56)は言う。「本当に好きなものへの支出は簡単には減らさない。一億総オタク化が個人消費を底堅くする」
 野村総合研究所の試算では、好きな対象に可能な限りのお金や時間をつぎ込み、オタク特有の収集癖や自己顕示欲を持つ消費者はマンガ、アニメ、鉄道など十二分野で百七十二万人。そこまではいかない軽度の人も含めると、約六百五十万人、市場規模は一兆四千億円に達するという。物好きの道楽というには、無視できないほどの規模なのだ。
(中略・海洋堂や「オタバ」、ガンプラ組立屋、ブロッコリーなど登場)
 野村総合研究所主任コンサルタントの守岡太郎(56)は「オタク消費者の中からカリスマ的なリーダーが登場し、これに一般消費者が賛同するようになれば、消費者主導の市場ができるようになるかもしれない」と話す。
 そこにあるのは、供給者が商品を提供して市場を作り出すのとは違うメカニズムだ。「現代の目利き」が作って鍛える市場は、並外れたこだわりゆえに強じんになる。
 そうなんでしょうかね。うーん。野村総研の研究についてはこの本を読めばいいらしいのですが・・・
 他の業界の事は分かりませんが、こと鉄道に関していうと違和感がありまして。鉄道趣味の場合、趣味の対象とする鉄道は、輸送という社会的手段を果たすことを使命としています(私企業なら利潤ですが)。鉄道趣味者は、彼らの趣味対象である鉄道企業が想定している主たる顧客ではありません。さてその場合、趣味の「市場」とは一体なんなんでしょう?
 もっと分かりやすく言いますと。
 コミケ三日目の有明に戦術核を打ち込めば、美少女ゲームメーカーの過半は倒産するでしょう。ワンフェス開催時にバンカーバスターを叩き込めば、海洋堂も傾くかもしれません。しかし、鉄道マニアを鏖殺しても、鉄道会社の業績に特段の変動が出るとは思われません。軍艦マニアや軍用機オタク、戦車愛好家を大量虐殺しても、軍隊も戦争もなくなりゃしません。趣味の対象と趣味の「市場」が分離している世界と、分離度の低い業界とを同じように論じてしまうことに、違和感が残ってしまうのです。
 話をややこしくしているのは、前者のような趣味と後者のような趣味を兼業している人間が少なくなく、彼らの外見や行動パターンが類似していることなのだろうと思います。(例:当ブログの筆者)
 このことは、実は十年以上前の中学生時代からつらつらと考えていたことなので、折を見て書き続けていきたいと思いますが、どうも風邪を引いたらしく頭と喉が痛いので今宵はここまで。おやすみなさい。
# by bokukoui | 2006-01-15 23:12 | 思い付き | Comments(3)

新京成の話など・続き

 日付変更前の記事の続きです。

 明治の昔、鉄道が敷設される時に、「宿場が寂れる」などとして地元が反対し、線路がその町を避けたという話が各地にあります。それを「鉄道忌避伝説」といいますが、なぜ「伝説」なのかといえば後からつくりあげられた話だからです。というのも、町や村が鉄道を誘致しようとしてばら撒いた建白書やら宣伝ビラやらは少なからず現存しているのですが、同時代で建設に反対したという史料はほとんどないのです。「鉄道忌避伝説」を述べている本を探ると、典拠は古老の昔話のような曖昧なところになってしまいます。一見街を避けているような線路も、地図を良く見れば地形上やむをえない選択と分かるところが多いのです(ことに蒸気機関車は勾配に弱いし)。
 で、新京成の話も、地図をぱっと見てカーブが多いので、鉄道連隊の由来から短絡的にそう判断されたのではないか、もっとよく見れば地形で説明が付くのに、という話でした。
 なお、以上の「鉄道忌避伝説」について述べた本は、まもなく吉川弘文館から出版されます。鉄道趣味者は必ず買いましょう。新京成の話も、その著者の方に伺ったものです。

 とまあ、いろいろ勉強になった会合でした。
 ちなみに、この会合は五反田であったのですが、中途半端に時間があったので、小生は大手町からてくてくと歩いて向かいました。2時間弱。途中品川で、京急の赤い電車を見て目の保養としました。
 なお、その途中でウィング高輪に立ち寄ったのは、ただ単に歩道橋と繋がっていたのでそのまま入ってお手洗いを借りただけです。
 ・・・いやあ、黄色のカーディガンとの取り合わせは初めて見たね。
 品川は目の保養がいろいろできていいところです。
# by bokukoui | 2006-01-14 01:53 | 鉄道(歴史方面) | Comments(0)

The Long And Winding Railroad

 今日は交通史の勉強会?のようなところへ行って来ました。
 いろいろと議論も出、興味深い話を聞くことができたのですが、ちょっと意外な話を知ったので備忘にここで一筆。

 千葉県に新京成電鉄という準大手私鉄があります。この鉄道、やたらとカーブが多いことで有名なのですが、なぜカーブが多いのかといえば、その理由はこの路線が戦前は陸軍の鉄道連隊の演習線で、規定の距離を稼ぐため、或いはカーブを敷く演習をするため、そうなったのだといわれています。ネット上でもウィキペディアはじめ多くのサイトでそのように書かれています(「新京成電鉄 鉄道連隊」で検索すればいくつも出てきます)。
 が、実はそのような根拠を明示した史料は見当たらないそうで、カーブが多い理由はただ単に地形的要因と考えられます。この地域は台地で、小さな谷がたくさん切れ込んでいます。その谷を嫌って、台地のへりに沿って走ったらカーブが多くなった、というわけ。

 日付が変わりそうなのでここで一旦切ります。
# by bokukoui | 2006-01-13 23:59 | 鉄道(歴史方面) | Comments(3)

「ランペルール」は積んだまま

 「今年の目標」達成のために、まず読みやすそうな一冊を手にとって見ました。
 松村劭『ナポレオン戦争全史』原書房、昨年末に出たばかりの本です。
 「広く浅い」戦史好きとして、ナポレオンものにも興味はありました。今までにヴィゴ=ルシヨン『ナポレオン戦線従軍記』(面白い)だとか、ニコルソン『ナポレオン一八一二年』(これもなかなか)とか、さてこそトルストイ『戦争と平和』(読むのに疲れた。特に最後が)やら、こないだ『女騎兵の手記』やら、一部を扱ったものを多少読んではいましたが、ナポレオニックの全体像は一通り抑えておきたいとかねがね思っていました。そこで店頭で目に付いた時、原書房だし、著者の名前もどこかで見たような気がするし、買ってみたんですね・・・

 以下感想を箇条書きで。
<良い点>
・簡単に読める。
・時系列順に網羅してある。

<悪い点>
・記述が平板かつ簡潔過ぎて、正直面白くない。
・地図の出来がはなはだお粗末で見にくい(ニコルソンの本の方が遥かに良い)。
・部隊編成などについて表がなく分かりにくい(これもニコルソンの以下略)。
・本文と地図で地名の表記が一致していない箇所があった。
・初版とはいえ誤植・脱字がえらく多い。
・出典注もなく(これは一般書なので別にいいんだけど)、参考文献が5点しかないのでネタ本探しにも使えない。 
・ゲリラが嫌いなのは結構だがその書き方はいかがなものか(他の出来がよければ気にならないんだけど・・・)
・ナポレオンの不倫は彼の戦略と如何なる関連があるのでせうか。

<結論>
戦史研の会報も総力を挙げればこれくらいは書けると思う。

 なんか悪口になっちまいましたね。まあ冒頭のロシアとスウェーデンの関係については初めて知ったので、全く意味が無かったわけではありません。
 それにまあ、表題の通り「積みゲー」だった光栄の最高傑作とも言われる「ランペルール」(日本製唯一のナポレオン戦争キャンペーンゲーム)に手をつけようかという気くらいにはなりましたしね。マニアからは「なぜ光栄は続編を出さないのか」といわれる本作ですが、日本ではやはりナポレオニックは受けが悪いようです。昔、ボードのシミュレーションが栄えて衰退した頃の俚諺に、「ナポレオンものを出した日本のゲーム会社は必ず潰れる」ってのがあったと、古参の人に聞きましたが・・・光栄だけが例外らしいです。

 以下余談。
 上の記事を書くために、アマゾンで「ナポレオン」「戦記」などと入れて検索していたら、こんな本がひっかかりました(リンク先18禁につき注意)。
戦雲たちこめるヴェルメラントに来訪したレーナ&ステイシア。そこで彼女たちの見たものは、国家に虐げられる民衆の姿だった。レーナはあらゆる政 (性)戦略を駆使してヴェルメラントの独立を目指すが…。自称、軍事統計分析者の引野利秋が創りだす世界を千之ナイフの濃密なイラストで彩る官能の仮想シミュレーション戦記。
 ・・・「自称、軍事統計分析者」ってなんだよ。
# by bokukoui | 2006-01-12 21:50 | 歴史雑談 | Comments(7)