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タグ:書籍・漫画等感想 ( 132 ) タグの人気記事

【同人誌旧稿再録】いわゆる痴呆の芸術について~「加奈」評論~

 最近ちょっとツイッターで炎上したことがあって、その件とそれにまつわる分析は後日書くことにしますが(いろいろ用事があって忙しいので)、それに関連して畏友の長谷川晴生氏が、私が20年近くも前に(!)同人誌に書き、その後サイトに転載したものの、サイト消滅でお蔵入りになっていた旧稿の議論がそれに関係する視点を提供しているのではと指摘され、さてこそ炎上に追加燃料として、ここに復活させてみました。
 もっとも本当は、従前同様にサイト(何年も放置しっぱなしですが……)に再掲したかったのですが、html の書き方だの FTP のやり方だのをすっかり忘れているため、サイトに再掲するのは時間がかかると判断し、とりあえずブログに載せることにしました。書き方ややり方を思い出したらサイトへ移行させようと思いますが、まあ春学期終了後以降ですね。
 というわけで、20年近くも前に書いた記事ですが、まあ谷崎という古典のおかげで、今でも通じるところがある……かもしれません?


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by bokukoui | 2020-07-11 11:38 | 思い付き | Comments(1)

宮澤暁『ヤバい選挙』(新潮新書)を読む

 あたかも今日は東京都知事選挙です。そんな日に取り上げるにふさわしい本がつい先月出版されましたので、ここで一筆。

 最初に個人的なことをお断りしておくと、私は某団体の活動を通じて宮澤さんとは以前から交流がありました。そして宮澤さんが選挙マニアであることも存じ上げており、いわゆるインディーズ候補のことなどを調べて同人誌で発表されているのを、何度か読んでおりました。宮澤さんは化学系の技術者で、決して政治学などの専門家ではないのですが、丹念な調査で選挙の面白いエピソードを発掘されることには以前よりたいへん感心しておりました。そして感心したのは私だけではなく、近年はネットメディアに選挙関連の記事を執筆されていましたが、このたび編集者の目に留まってめでたく書籍デビューとなりました。マニアの鑑ですね。


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by bokukoui | 2020-07-05 23:42 | 書物 | Comments(5)

アニメ『プリンセス・プリンシパル』第5話「case7 Bullet & Blade's Ballad」における鉄道描写について


 このところのコロナ禍で、自宅から出ないでもエンタテイメントが楽しめるようにと、さまざまなコンテンツがネットで公開されています。有料だったものが無料開放される例も少なくなく、その一つが上に挙げたアニメ『プリンセス・プリンシパル』であります。(10日まで)
 このアニメは、設定協力・速水螺旋人先生ということで私も気になっていましたが(速水作品に関する当ブログの過去記事はこちらなどを参照)、放映当時は見る機会を逸していました。それを、この Hulu の無料放映を機に見た……わけではなくて、もうちょっと前から、バンダイチャンネルの見放題に入っていたことから見始めたのですが、凝った映像と設定、程よく錯綜しつつも説明しすぎない脚本で、飽きる暇なく視聴者を引き込む、まことに素晴らしい作品と楽しく見ています。
 ……というような賛辞は、ちょっと検索してもネットでいくらでも見つかりますので、あえて青臭いことを言えば、このアニメには「壁(隔てるもの)」という一貫したテーマがあり、それが物語の背骨となっているために、見るものを引き込む力強さがあるのだと私は思います。劇中に登場する「ロンドンの壁」がその象徴ですが、身分や民族を隔てる壁、そして心の壁もまた存在します。その壁を超えることができるのは――。必ずしも製作者の意図したことではないかもしれませんが、今日的なテーマでもあります。
 そんなわけで、一周見終わって感心し、今は各話に振られている case 番号順に二回目を見ているところです。

 で、このアニメは、いわゆるスチームパンクの世界観で、蒸気機関を重要な役者に据えており、登場する自動車も蒸気自動車だそうです。となると、鉄道趣味者としては蒸気機関車の登場も期待したいところなのですが……概してアニメでは(マンガでもそんな感じがしますが)、鉄道とりわけ蒸気機関車は重視されない傾向にある気がします。どうも他のメカ、兵器なり自動車なりスーパーロボットなりと比べて、業界人に愛されていないんじゃないかという気がしてしまうのですが……
 ところが、第5話「case7 Bullet & Blade's Ballad」は、まさしく鉄道回というか、最初から最後までほとんど列車が舞台という「神回」でした。列車で繰り広げられる大活劇、血沸き肉踊ります(あとメイド服)。その描写も見事で、ツイッター上で瞥見しただけですが、このような賛辞がいくつも目につきます。
 私もこれらのご意見にまったく賛同しますが、ただそこでマニアの血がむくむくと湧いてきまして(笑)、ちょっと感じた点を手元の本で調べてみたのでした。

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by bokukoui | 2020-05-08 23:59 | 鉄道(歴史方面) | Comments(2)

碓氷峠の神話~阿羅本景/バーニア600『碓氷と彼女とロクサンの。』(ファミ通文庫)雑感

 ずいぶんブログ更新の間が空いてしまいましたが、ぼちぼちツイッターだけでなくブログの方も書いていこうと思います。別段書くことがないわけではなく、むしろ書きたいことがたくさんあるのに体がついてこないような感じでした。
 さて、更新再開第一弾は、このブログのメインコンテンツ?である鉄道関係のトピックで、書く方にも読む方にも柔らかそうなお題で行きたいと思います。

 というわけでいきなりですがクイズです。

 今からちょうど20年前、1997年の秋に廃止された日本の鉄道で、最急勾配66.7‰を持つ区間といえば? 
 そしてその区間で活躍し、廃止とともに引退した車輌といえば?


 そんなの鉄道好きなら誰でも分かるよ、そもそもこの記事のタイトルでネタバレじゃないか―と皆様思われたでしょうが、こんな枕でお送りするのはこの本の感想文です。
碓氷峠の神話~阿羅本景/バーニア600『碓氷と彼女とロクサンの。』(ファミ通文庫)雑感_f0030574_23354802.jpg
阿羅本景/バーニア600
 
 今からおよそ2年前に出版されたライトノベルです。タイトルと表紙の通り、群馬県と長野県の境の碓氷峠を信越本線が越えていた時代(1997年9月30日廃線、今年でちょうど20年)に活躍していたEF63形電気機関車が、主要キャラクター?となっている物語です。
  そのあらすじを、公式サイトから引用してみましょう。
'97年9月30日。伝説のあの夜を知らない子供たちが、碓氷の歴史を作る――

「ここにあるロクサンを、私たち女子高生だけで運行して碓氷峠を走らせようって計画なんだ!」正式名称、碓氷観光開発コンソーシアム・女子学生鉄道プロジェクト。廃止された路線に、伝説の電気機関車を走らせるという壮大な計画に参加することになった僕、志賀 真。れっきとした男である僕がなぜこの活動に参加したかというと、鉄道に興味があるから――ではなく、地域貢献がしたかったから――でもなく、僕の前で楽しそうに鉄道の魅力を語る女の子、浅間夏綺がいたからだ。リーダーの明日香、広報の朱鷺音、機関士の夏綺、整備士のみすず。僕ら五人はこの伝説の地で、新たな歴史を作っていく――


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by bokukoui | 2017-09-30 23:56 | 鉄道(その他) | Comments(0)

『日本会議の研究』を読んで、ミソジニーとオタクについて考える

 最近はようやく心身の沈滞から脱しつつあるのか、少しは本を読めるようになってきました。そこでもっぱら、積読の本を崩していたのですが、その中で珍しく、最近出た話題の本を読んでみました。それが菅野完『日本会議の研究』(扶桑社文庫)です。
 日本会議といえば、安倍政権を支える保守系市民団体として、最近メディアでも注目されるようになってきました。以前からも、例えば歴史教科書問題などで、小生の見解からすれば反動きわまりない攻撃をしかけてくる連中として、何となく存在は知っていましたが、その正体はよく分からないものでした。同書はその成り立ちと主要人物の活動について、詳細に調査した書物であり、一気に読んでしまいました。

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by bokukoui | 2016-07-09 12:18 | 書物 | Comments(21)

家庭向け電力自由化雑感~『ウチの会社電気売るんだってよ』感想など

家庭向け電力自由化雑感~『ウチの会社電気売るんだってよ』感想など_f0030574_13133564.jpg
「東急でんき」の宣伝を車体に掲げた東急バス
東急グループ共通でポイントが有利に溜まるらしい

 4月になって新年度が始まりました。で、この新年度からのトピックといえば、やはり家庭向け電力の全面自由化であろうと思います。小生は東急電鉄沿線に現在居住しておりますが、東急は現在のところ電鉄系としては唯一家庭向け電力供給に取り組んでおり、電車やバスの車体にラッピングして宣伝しているほか、主要駅のコンコースに臨時ブースを設けて勧誘しているのが目に付きます。
 そんな折柄にふさわしい本の存在を知りまして、いつも戦前の電力業の話ばかりしているのも芸がないかと思いまして、購入一読してみました。関西電力の子会社(電力管理のシステムを構築・運用している会社とのこと)が出版したという本です。

家庭向け電力自由化雑感~『ウチの会社電気売るんだってよ』感想など_f0030574_21225074.jpg家庭向け電力自由化雑感~『ウチの会社電気売るんだってよ』感想など_f0030574_21231515.jpg
関電システムソリューションズ(株)ビジネスコンサルティング部編
『ウチの会社電気売るんだってよ 電力小売ビジネスを始めるための10のポイント
日本電気協会新聞部
※画像はクリックすると拡大表示します

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by bokukoui | 2016-04-08 21:38 | 時事漫言 | Comments(0)

昼間たかし『コミックばかり読まないで』略感、及びイベント告知

 「革命的非モテ同盟」のクリスマス粉砕デモは無事に終わり、小生は多忙で足を運べませんでしたが、海外にもネットを通じてデモの存在が報道されたようで、まずは成功だったようです。もう革非同のデモも十年目になるでしょうか、ここまで根強く続いていることを嬉しく思います。

 この活動を介して、小生多くの人に出会いましたが、その中の一人がルポライターの昼間たかし氏です。それほど交友があるわけではないですが、以前鉄道関係の記事話題を提供したりなんかしたこともありましたっけ。で、そんな昼間氏が先日単著を発表されましたので、紹介かたがた少し感想を述べたいと思います。ただ、それは小生が現在博論執筆が追い込みであるということと、以下に述べるように、本書が実に広い幅を持っているがため、そう簡単に感想を筆に出来るものではない、という理由から、感想はごく簡単に、以前ツイッターで書いた内容をまとめておくにとどめます。

 こういった前提でご紹介するのが、

  昼間たかし『コミックばかり読まないで』イースト・プレス

 です。
 なお来週29日には、本書の著者・昼間たかし氏が出演するイベントがあるそうですので、そちらもご紹介しておきます。
12月29日13:00~
若者よ、反骨のルポライター ・竹中労に学べ!「自由な批評、愚かな批評」

 【出演】
 武田砂鉄(フリーライター)
 昼間たかし(ルポライター)
 鈴木邦男(評論家)

芸能界から政界まで、タブーなき真相を追い続けた「元祖ルポライター」竹中労。
そんな、反骨のルポライターをリスペクトしてやまない『紋切型社会』の武田砂鉄、『コミックばかり読まないで』の昼間たかしという新しい書き手二人が、竹中労の功罪を徹底対論。
さらに、32歳で竹中労と出会い、次第にその魅力に惹きつけられ、『竹中労 左右を越境するアナーキスト』を刊行した評論家の鈴木邦男を交えて、体験的ルポルタージュの系譜と真髄を、次世代に向けて縦横無尽に語り尽くします。


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by bokukoui | 2015-12-21 22:41 | 書物 | Comments(7)

谷内正往『戦前大阪の鉄道とデパート 都市交通による沿線培養の研究』略感

 ぼちぼち復活してきた当ブログですが、現在博論執筆酣でなかなか記事を新規に起こす余裕がありません。書きたいことは色々あるのですが。
 というわけで、小生はしばらく前にとある学会誌に書評を掲載してもらいましたので、それの省略版をブログ記事に転用しようかと。内容をもとの書評より減らしてあるので、学会にご迷惑となることはないでしょうし、また一方で今回取り上げる本についてネット上での書評はないようなので、多少の意義はあろうかと思います。

谷内正往『戦前大阪の鉄道とデパート 都市交通による沿線培養の研究』略感_f0030574_22270103.jpg そんな前置きで今回ご紹介するのは、

谷内正往
『戦前大阪の鉄道とデパート  都市交通による沿線培養の研究
 です。
 電鉄会社のやっている副業といえば、バスや不動産と並んでデパートが挙がります。現在、日本の大手私鉄のほとんどは系列に百貨店を持っていますし、南海電鉄のように持っていない会社でもターミナルビルがデパートだったりしています。ことほどさように関係の深い電車とデパートですが、その関係を最初に作ったのは、これも周知のように小林一三の経営する阪急が梅田に設けたデパート(1929年)でした。
 本書は、戦前の大阪を主な舞台に、阪急はじめ関西の有力電鉄=阪神、京阪、大軌(現在の近鉄)、南海、さらには大阪市営地下鉄とデパートの関係を縦横に論じ、いわゆる「電鉄系デパート」の誕生と戦前の展開を述べた研究です。

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by bokukoui | 2015-12-01 23:28 | 鉄道(歴史方面) | Comments(2)

『ライフスタイルを形成した鉄道事業 シリーズ情熱の日本経営史8』略感


『ライフスタイルを形成した鉄道事業 シリーズ情熱の日本経営史8』略感_f0030574_16312126.jpg  今月は鉄道記念日もありますし、1日は東海道新幹線開業50周年の日であったりしますので、当ブログでも本旨に戻って?鉄道関係の話題をいくつかまとめてみたいと思います。
 というわけで手始めに、先月とある学会に行ったときに買った本の感想など書いてみようと思います。

老川慶喜・渡邊恵一
『ライフスタイルを形成した鉄道事業 シリーズ情熱の日本経営史8
芙蓉書房出版

 今年8月に出たばかりの本で、ハードカバーですがお値段2800円(税抜)とお手頃です。経営史の入門者や、一般の読者層向けにまとめられたものと思われ、文章も敬体で読みやすさに気を配っていると見受けられます。
 恥ずかしながら、小生はこんなシリーズが出ているとは存じませんでした。それに芙蓉書房といえば、旧日本軍を中心とした軍事史関係の本を出しているところ、というイメージがありまして、ちょっと驚いたのも正直なところです。というわけで、学会で同社が出展していたブースで本書を見つけた小生は、寒い懐でも買えるお値段に気をよくして早速買い込んだ次第でした。
 本書は日本の鉄道業の中でも、表題のとおり現代のライフスタイルを形成する「郊外」の形成に関わった、大手私鉄の経営者を取り上げた列伝です。本書で取り上げられている経営者は、

 小林一三(阪急電鉄) / 堤康次郎(西武鉄道) / 五島慶太(東急電鉄) / 根津嘉一郎(東武鉄道)

 の4人です(掲載順)。

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by bokukoui | 2014-10-11 23:59 | 鉄道(歴史方面) | Comments(0)

交通博物館跡の再開発・旧万世橋駅ホームの喫茶店など~附・アニメ『RAILWARS!』雑感

交通博物館跡の再開発・旧万世橋駅ホームの喫茶店など~附・アニメ『RAILWARS!』雑感_f0030574_12223137.jpg
旧万世橋駅のホームを利用した喫茶店から、行き交う中央線快速電車を眺める
(2013年11月撮影)

 当ブログでは、かつての交通博物館の閉館から建物の解体までを定点観測した「[特設]さよなら交通博物館」という一連の記事を掲載しました。このシリーズは昨年2月の「交通博物館跡地の再開発ビル(JR神田万世橋ビル)が竣工」という記事で一応打ち止めのつもりでしたが、同記事の末尾で「グランドオープンしたら、一度くらいは見に行こうかなとは思います」と書いたように、その後レンガの高架線下を利用した店舗などの様子を見に行ってはいました。しかしブログ更新の意欲が低下し、結局お蔵入りになってしまいました。
 なんですが、ふと思い立って今回、賑やかしまでに、去年の写真を引っ張り出して二三載せてみようかと思います。

(続きは以下に)

by bokukoui | 2014-08-15 01:58 | 鉄道(その他) | Comments(7)